プロ注目の「1番」、成立学園・岩成 マルチだ3盗塁だ

[ 2014年7月18日 05:30 ]

<成立学園・都東>8回1死満塁、成立学園・柳谷の二ゴロで本塁突入する岩成(中央)。捕手がボールをこぼしたが捕球後の動作として判定はアウト

東東京大会4回戦 成立学園4―1都東

(7月17日 神宮)
 第96回全国高校野球選手権大会(8月9日から15日間、甲子園)の地方大会は17日、31大会で220試合が行われた。東東京大会では2年ぶりの甲子園出場を狙う成立学園が都東を4―1で下し、16強入り。1番に座る今秋ドラフト候補の岩成亮祐内野手(3年)が2安打3盗塁の活躍を見せた。

 シャープに振り抜いたバットから放たれた打球は、鮮やかにセンター前へ抜けた。2回2死二塁。成立学園のリードオフマン・岩成が、先制点をもたらす一打を放った。

 「初回の打席で凡退してしまい、先頭打者としての役割を果たせなかったので、何とか塁に出ようと思いました」。続く4回の打席でも同じようなセンター返しで2安打。「逆方向へ打ち返す意識を持っている」との言葉通りに実践した。打つだけではなく、3度の二盗を全て成功させた。「出塁したら常に次の塁を狙っている」と、足で好機を演出。50メートルは6秒4とずばぬけた走力を持っているわけではないが、相手投手のモーションの大きさを逃さなかった。さらに走る勇気。2度は初球で決めたものだ。

 1年生だった2年前の夏。3番打者として甲子園の土を踏み、初戦の東海大甲府戦で2安打した。チームは敗退。先輩が流した悔し涙を忘れることはない。内野の要である遊撃を守り、今夏は菅沢剛監督の「チームを引っ張ってほしい」という期待から1番に座る。

 2安打はいずれも追い込まれてから打った。初球から積極的に打つのが持ち味だけに、菅沢監督は「彼本来の打撃ではなかった」と厳しい。ただ、この一言が岩成の秘める能力を物語っている。次戦に向け、岩成は「少ないチャンスをモノにしたい」と意気込んだ。打線を引っ張るトップバッターが、2年ぶりの甲子園出場の鍵を握っている。

 ◆岩成 亮祐(いわなり・りょうすけ)1996年(平8)7月25日、東京都生まれの17歳。小3から野球を始め、糀谷中では羽田アンビシャスに所属し、3年時に関東選抜メンバー入り。成立学園では1年夏の甲子園に出場し、初戦の東海大甲府戦で2安打。1メートル76、72キロ。右投げ左打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2014年7月18日のニュース