アジャ井上 20年ぶり2発MVP 巨漢113キロパワーさく裂

[ 2014年7月18日 05:30 ]

<全イ・全ウ>8回無死、左中間にソロを放ち笑顔でダイヤモンドを一周する井上

フレッシュオールスター 全イ7―6全ウ

(7月17日 長崎)
 アジャ2発でMVP!フレッシュオールスターゲームが17日に行われ、全イの「5番・DH」で先発出場したロッテのドラフト5位ルーキー・井上晴哉内野手(25)が大暴れした。初回に左中間へ2ラン、同点の8回にも左中間へ決勝ソロを放つなど3安打3打点。1試合2本塁打は、94年の中日・井上一樹以来、20年ぶりの快挙となった。試合は全イが7―6で全ウに勝ち、通算成績を19勝27敗5分けとした。

 長崎の夜空に打ち上げた白球。左中間席の最上段で跳ねると、場外へと消えていった。完璧な打球。井上は113キロの巨体でゆっくりとダイヤモンドを回った。

 「ホームランを狙っていたので気持ちよかった。快感に浸って打球の方向は見てませんでした」

 6―6の8回だ。ソフトバンク・笠原がフルカウントから投じた140キロの直球を強振した。初回の2ランに続く2発目は値千金の決勝弾。3安打3打点の活躍で、過去にヤンキースのイチローらが「出世」の足掛かりとしたMVPに輝いた。

 女子プロレスラーのアジャ・コングに似ていることから愛称は「アジャ」。アマチュア時代から日本代表などで面識があり、「弟分」とかわいがる体重105キロの西武・山川も3回に2ランを放ったが、「兄貴」の意地でもう1本追加した。

 一塁側内野席では広島から駆けつけた両親が観戦。前日、父・新晴(しんせい)さんが「応援に行くからね」とメールを送ると、4文字の返信が返ってきた。「狙います」。宣言通りの一発。豪快な見た目とは対照的に、賞金100万円の使い道については「貯蓄です」と笑った。

 オープン戦で打率・435の成績を残し、チームの新人では64年ぶりに開幕4番の座をつかんだ。しかし、出場19試合で打率・204、1本塁打と苦しみ、5月上旬に2軍に降格した。原因は執ような内角攻め。内角を意識するあまり、体の軸が三塁側に傾き、結果として外角の変化球にも対応できなくなった。規格外のパワーを駆使して、球をぎりぎりまで引きつける持ち味は失われた。

 「球がうまくしばけない」。本来の打撃フォームを取り戻すため、2軍ではとにかくバットを振った。2軍のデーゲーム後は、どんなに疲れていても打撃練習とティー打撃に1時間以上を費やした。昨年のフレッシュ球宴でMVPに輝いた同じ寮生の加藤には「俺は後半戦に上で絶対に活躍する」とも語っていた。あくまで目標は1軍再昇格。「まだまだ勉強中です」と表情を引き締める。

 試合後、優秀選手の西武・山川、オリックス・奥浪とお立ち台に上がった。3人の合計体重は316キロ。インタビュアーの「お立ち台は大丈夫でしょうか…」という言葉に場内は爆笑した。「せっかく同じリーグなので1軍で打ち合いたい」と井上は言った。長崎で響かせた2つの快音。先行していたキャラに実力が追いついてきた。

 ◆井上 晴哉(いのうえ・せいや)1989年(平元)7月3日、広島県生まれの25歳。崇徳では3年夏に県大会初戦敗退で甲子園出場はなし。中大では2年秋に首位打者、ベストナイン獲得。日本生命では2年連続都市対抗出場。13年ドラフト5位でロッテ入り。1メートル80、113キロ。右投げ右打ち。

 ≪20年ぶり5人目≫井上(ロ)がマルチ本塁打の活躍でMVP。フレッシュ球宴(ジュニア球宴時代を含む)の1試合2本塁打は(☆は新人、MはMVP)、
64年☆滝 安治(巨) 
85年 白幡勝弘(西)M
90年☆石井浩郎(近)M
94年 井上一樹(中)M
 に次ぐ20年ぶり5人目の最多タイ記録となった。

 ≪フレッシュ球宴MVPで出世トリオ≫

 ☆イチロー オリックス1年目の92年、前身のジュニアオールスターに出場。当時の登録名は、鈴木一朗。8回有働(大洋)から代打決勝本塁打を放った。

 ☆青木宣親 ヤクルト1年目の04年、「2番・中堅」で4安打2打点2盗塁。先制の右中間三塁打に続き、二塁打と単打2本と打ちまくった。

 ☆中田翔 日本ハム2年目の09年、本拠地・札幌ドームで「4番・一塁」で二塁打2本、2打点1盗塁。走攻守に成長の跡を示した。

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