菅野でV率100% 巨人、2位に3・5差つけ前半戦終了全て優勝

[ 2014年7月17日 05:30 ]

<巨・ヤ>お立ち台で笑顔の村田(左)と菅野

セ・リーグ 巨人5-2ヤクルト

(7月16日 東京D)
 巨人は16日、ヤクルトに5―2で勝利。先発の菅野智之投手(24)が8回1失点で、ハーラートップタイの9勝目を挙げた。前半戦が終了し、巨人は3年連続首位で折り返し。2位以下に3・5差以上のターンは、過去22回はすべてリーグ制覇している。
【試合結果】

 菅野は約1カ月ぶりの白星にも納得していなかった。7回まで無失点に抑えながら8回に山田に左中間ソロを被弾。詰めの甘さを真っ先に反省した。

 「もったいなかったな、と。あそこで1点取られるのと0点で終わるのと、どれだけ違うか考えたときに悔しかった」

 理想像には届かなくとも圧巻の投球だった。9日のDeNA戦(沖縄セルラー)では初回の3ランが決勝点。その反省もあって初回は「慎重になりすぎた」と31球を費やしたが、すぐに修正。「ストレートが走っていた」と直球を軸に燕打線をねじ伏せた。3回2死、バレンティンの7球目にプロ入り最速タイの153キロを計測。1点を失った後の8回1死一、二塁では飯原を144キロ直球で二直併殺に斬り、右手でグラブを叩いた。リーグトップタイの9勝目。お立ち台では「久しぶりの勝ちなので本当にうれしい」と安どの笑みを浮かべた。

 オフから磨いてきた直球の球威を取り戻した。1日の広島戦(マツダ)で今季ワーストの6失点。チームは逆転勝ちを収めたが、直球の切れを欠いた。今季は通常の登板間隔ではブルペン入りしなかったが、9日のDeNA戦までに2度のブルペン投球を行い、直球だけを投げ込んだ。この日に向けた調整でも直球を意識してキャッチボールを行い、修正に着手。この日は132球中、約44%の58球が直球で、「去年より(直球が)絶対に良くなっていると思う」。手応えをつかんだからこそ、その言葉は力強かった。

 前半戦を貯金14で終え、2位・阪神とは3・5ゲーム差。3・5ゲーム差以上で首位ターンした過去22回は、すべてリーグ制覇を成し遂げている。原監督は「まだ我が軍はもう少しできるチームだと思っています。一人一人が自分にカツを入れて、もう一回り大きくなって後半戦に臨みたい」と発展途上のチームであることを強調した。

 菅野は19日の球宴第2戦(甲子園)での登板が予想される。「きょう勝って良い形で後半戦に臨めると思う。夏場により勝てるようにしていきたい」。まだまだ成長してみせる――。24歳の右腕は高い志を胸に後半戦も白星を積み重ねていく。

続きを表示

この記事のフォト

2014年7月17日のニュース