主役ジーター 最後の球宴で熱演2安打 打って守って全米魅了

[ 2014年7月17日 05:30 ]

<ア・リーグVSナ・リーグ>勝利しナインを迎えるジーター(中央右)(AP)

第85回オールスター戦 ア・リーグ5―3ナ・リーグ 

(7月15日 ミネアポリス)
 4回表。今季限りで現役を引退するヤンキースのジーターは、遊撃の守備に就いた後に交代を告げられた。ファンに姿を見せてから代える、というジョン・ファレル監督の粋な演出だった。

 試合は一時中断。背番号2は総立ちの拍手を受けながらベンチに下がった。「信じられないような素晴らしい瞬間だった。きっと忘れないだろう」。場内にはヤンキースタジアムの試合後に流れるフランク・シナトラの「ニューヨーク・ニューヨーク」が流れた。

 自身14度目の球宴は、「1番・遊撃」で先発出場した。登場アナウンスも、本拠地ではおなじみの故ボブ・シェパード氏の声。初回、先頭打者の二遊間へのゴロに飛びついてグラブに収めた。一塁はわずかにセーフとなったが、いきなり観衆を沸かせるのはスーパースターたるゆえんだ。

 第1打席に入る前には拍手と声援が63秒間も鳴りやまず、全ての視線が注がれた。多くのファンがカメラでその雄姿を収めようとする中、先発ウェインライトの2球目を右翼線に運ぶ二塁打。続くトラウトの三塁打で先制のホームを踏んだ。3回にも右前打。2打数2安打の活躍に「試合を楽しめた」と振り返った。

 試合前にはファレル監督に要望され、ダルビッシュら投手もそろったロッカールームでスピーチ。「あっという間に時は過ぎてしまう。一瞬一瞬を楽しんでくれ」などと語りかけた。大舞台での強さは健在で、40歳でのマルチ安打は球宴史上最年長。球宴打率・481(27打数13安打)は、20打数以上では歴代2位の高打率となった。

 最後の球宴の感慨に浸りつつも、試合後は表情を引き締めた。「2日休んだら、別の試合が待っている。シーズンはまだ続くからね」。最後までジーターらしく、後半戦を完全燃焼する。

 ◆デレク・ジーター 1974年6月26日、ニュージャージー州生まれの40歳。92年ドラフト1巡目(全体6番目)でヤンキース入団。95年5月29日マリナーズ戦でデビューし、96年新人王。00年には史上初めて球宴とワールドシリーズのMVPをダブル受賞し、96、98~00、09年に世界一を経験した。通算3408安打はヤ軍最多で歴代9位。1メートル91、88キロ。右投げ右打ち。今季年俸は1200万ドル(約12億2400万円)。独身。

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