東海大相模 貢さん魂19点 指揮官「一緒に戦っている」

[ 2014年7月17日 05:30 ]

<東海大相模・逗葉>東海大相模ナインのTシャツの背中には「奪回」の文字

神奈川大会2回戦 東海大相模19―0逗葉

(7月16日 相模原)
 第96回全国高校野球選手権大会(8月9日から15日間、甲子園)の地方大会は16日、32大会で266試合が行われた。神奈川大会では東海大相模が逗葉に19―0の5回コールド勝ち。元監督で5月29日に亡くなった原貢氏(享年78)に白星をささげるとともに、4年ぶりの甲子園出場へ向けて好スタートを切った。17日は31大会で220試合が行われる。

 高々と舞い上がった打球が、右翼席で弾んだ。4回1死満塁。東海大相模の3番に座った2年生・豊田が、高校通算12号となるとどめのグランドスラムを放った。

 「外野は越えるかなと思いましたけど、入るとは思わなかった。最初は緊張しましたけど、先輩たちが声を掛けてくれました」。昨秋からベンチ入りし、春までは6番。試合前に初の3番を告げられた。「調子はいい感じだった。数は数えていないですけど、冬に結構振り込んだので」。手応えをつかんで臨んだ夏初戦。主軸の起用に応え、逆方向への一発を含む3安打5打点と活躍した。

 チームは15安打19得点の猛打で5回コールド勝ち。5月に死去した元監督の原貢氏が掲げた「打ち勝つ野球」の伝統は今も受け継がれている。バントをせずに甲子園の頂点に2度立った名将に倣い、この日は0犠打。2本塁打が飛び出す豪快な野球で、夏のスタートを切った。東海大時代に同氏の下でマネジャー、コーチを務めた門馬敬治監督は14日のお別れの会で弔辞を読んだ。初戦を終えて「一緒に戦っていると思っている。“まだまだ”と言われそうですけどね」と涙ぐんだ。

 投げても、エース右腕・青島と2年生左腕の小笠原が1安打無失点リレー。10年以来4年ぶりの甲子園出場へ向け、戦力は充実している。青島は「日本一しかない。甲子園で監督さんを胴上げする夏にしたい」と力強く宣言した。

 原氏が常々、口にしていた言葉がある。(1)人間性を磨く(2)基本に忠実にプレーする(3)最後まで決して諦めない――。東海大相模ナインにとって特別な夏。今は亡き名将の3つの教えを実践し、新たな縦じまの歴史をつくる。

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