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小高工・菅野 福島史上初の完全!原発事故で練習不足も“苦難上等”

[ 2014年7月15日 05:30 ]

<福島高専・小高工>福島史上初の完全試合を決めた小高工・菅野

福島大会2回戦 小高工5―0福島高専

(7月14日 いわきグリーン)
 第96回全国高校野球選手権大会(8月9日から15日間、甲子園)の地方大会は14日、35大会で308試合が行われた。福島大会では今秋ドラフト候補の小高工・菅野(かんの)秀哉投手(3年)が福島高専戦で13奪三振の快投で同大会史上初の完全試合を達成した。

 27人目の打者を2ストライクに追い込むと、菅野は捕手のサインに首を横に振った。「内角を要求されたので、最後は外の真っすぐで三振を狙った」。この日93球目、134キロの直球に相手のバットが空を切った。13個目の三振を奪うと同時に、福島大会初の完全試合を達成。過去12人の完全試合は全てコールドゲームの参考記録だった。

 最速143キロを誇る本格派右腕は、在学中に145キロを出したいという。そのため、1日5合の白飯を詰め込み、体重は昨秋より6キロ増えて75キロとなった。ベンチプレスも60キロから78キロに。飛躍的な肉体改造に成功した。ただ、11日の1回戦・安積戦では直球を狙い打ちされ5回までで9安打2失点。7回途中から再登板し、脱水症状になりながらも気迫の投球で無安打に抑えて逃げ切ったが、納得できるはずもなかった。

 「きょうは抑えたい気持ちでいっぱいだった」。打撃でも二塁打2本を含む4安打。「チームが勝ててうれしい。初の完全試合もうれしいです」と安どの表情を浮かべた。

 南相馬市小高区にある小高工は、東京電力福島第1原発事故の影響で避難指示解除準備区域内となっている。部員たちは同市原町区の仮設校舎で学ぶ。練習は近くの市営球場で行うが、グラウンドでの練習は週4日で、週末は使えないことが多い。そんな小高工に進学したのは、震災直後で練習に苦労しながらも夏の福島大会で4強入りした先輩たちの姿に感動したからだ。そして昨秋、チームスローガンを「苦難上等」に決めた。

 昨夏もエースとして活躍し、ベスト4まで勝ち上がったが、聖光学院に2―8で敗れた。「聖光学院を倒すために(1年間)やってきた。この夏は絶対に甲子園に行きたい」と力を込めた。苦難上等――。被災地の思いも背負って、菅野の夏は続く。

 ◆菅野 秀哉(かんの・しゅうや)1996年(平8)7月8日、福島県相馬市生まれの18歳。桜丘小3年からレッドイーグルスで野球を始める。主に遊撃手だったが、中村一中3年から本格的に投手に転向し、東北大会3位。中学野球の相双選抜メンバー。小高工では1年秋からベンチ入りし、2年春からエース。昨夏は福島大会4強。1メートル83、75キロ。右投げ右打ち。

 ▽完全試合 菅野秀哉投手(小高工)が福島大会2回戦の福島高専戦で記録。

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