新代打の神様、関本 代打逆転V満弾「まさか入るとは」

[ 2014年7月14日 05:30 ]

<巨・神>7回2死満塁、代打・関本(左)は左越え満塁弾を放ちナインの出迎えを受ける

セ・リーグ 阪神6-4巨人

(7月13日 東京D)
 これが伝統の一戦なのだろう。1―3の7回2死満塁。最大の好機で代打に起用された阪神・関本は「身震いというか、武者震いがした」という。マウンド上は今季初対戦の沢村。2ボールとなったが、じっくり球筋を見る考えはなかった。

 「1打席勝負だからいくしかない」。1球ファウルした後の4球目。真ん中高め145キロの直球をいつも通り短く持ったバットを振り抜くと、打球は虎党で埋まった左中間席に吸い込まれた。「何が何でも打ってやろうと思った。まさか入るとは」。打った瞬間、全力で走りだしていたベテランは、大歓声の中、ダイヤモンドを一周した。

 阪神では八木裕、桧山進次郎から称号を受け継ぐ「新代打の神様」。本塁打は、12年3月30日のDeNA戦(京セラドーム)以来、2年ぶりだ。「そんな(本塁打の)感触はとっくに忘れていた」ととぼけたが、巨人戦での代打逆転満塁弾となれば、球団史上初。まさに歴史的な一発だった。

 背番号3は、05年から「元祖神様」の八木から引き継いだ。変更した際には「勝負強い打撃もそうだけど、人柄も継いでいきたい」と決意表明した。代打での通算打率・248(238打数59安打)は、八木の・235(400打数94安打)を上回っている。

 1点リードの9回にも1死三塁から香月の厳しいシュートを捉え、詰まりながらも中前に運んだ=写真。わずか2打席で自己最多タイの1試合5打点。4月13日の巨人戦(甲子園)でも代打サヨナラ打を放っている男が、前半戦最後の伝統の一戦でもヒーローとなった。

 前日に連勝が8で止まったが、再びチームに勢いをもたらす逆転勝利で2位浮上。和田監督は「少しでも(差を)縮めて後半戦に入りたい。取っておきの関本がいい仕事をしてくれた」と手放しで褒めた。巨人とのゲーム差を3・5とし、オールスター戦まで残り3試合。「これからの方が大事。毎日、必死のパッチで頑張ります」。神様はお決まりのフレーズで締めた。

 ≪八木様&桧山様に続いた≫関本(神)が代打逆転満塁本塁打。代打満塁本塁打は自身初で、阪神では07年8月21日ヤクルト戦の桧山進次郎以来14本目。うち巨人戦では、85年5月20日の佐野仙好以来29年ぶり2本目になる。ただし佐野はスコア0―5からの一発。巨人戦での逆転、決勝の代打満塁弾はともに関本が初めてだ。打たれた沢村(巨)は満塁機ではこの日まで通算被打率・083(36打数3安打)、3安打は全て単打で被本塁打なし。満塁に強い右腕から貴重な一発を放った。

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2014年7月14日のニュース