阪神・能見 自己ワースト4連敗も前向き「粘れた」

[ 2014年7月13日 05:30 ]

<巨・神>6回1死一、三塁、阿部に適時二塁打を打たれ悔しがる能見

セ・リーグ 阪神0-5巨人

(7月12日 東京D)
 頼もしいエースが帰って来た。先発した阪神・能見は6回を7安打2失点。味方の援護なく自己ワーストの4連敗で8敗目を喫したものの、粘りを見せた。

 「(調子は)良かったですよ。(間隔も空いて)疲れも取れていたし。(左脇腹の)影響もなかった」

 立ち上がりは不安定だった。先頭の坂本にいきなり左中間フェンス直撃の二塁打を浴びると、1死三塁から長野には140キロ直球を右中間に運ばれる適時二塁打。先制点を献上した。しかし、そこからが真骨頂だ。1死二塁で村田、阿部を封じると、2回は3者凡退。3回以降も走者を出しながら要所を締めた。

 6月29日の中日戦(甲子園)で左脇腹痛を訴えて出場登録を抹消されて以降、13日ぶりのマウンド。加えて開幕戦3月28日の巨人戦(東京ドーム)は5回途中で10失点KOを食らっていた。「過ぎ去ったことなので後ろを向いても仕方がない」。涼しい顔を崩さなくても、胸の内には悔しい思いを抱えていたはず。

 だからこそ、最大のピンチも最少失点で切り抜けることができた。0―1の6回だ。長野、村田に連打を浴びて1死一、三塁から、阿部には右翼線へ適時二塁打を許した。さらに満塁のピンチを背負ったが、矢野、代打・アンダーソンを打ち取り最小失点で切り抜けた。フォークで代名詞の三振を奪うシーンは一度もなかったが、「あそこを粘れたので、今後につながります」と前向きにとらえた。

 和田監督は「感覚は悪くなかった」と復調を確信した。中西投手コーチは「粘り強く投げてくれた」と評価した。

 「10失点以来ですから。粘り強くは投げられた。最近はゲームを壊してばかりだったので、こういうピッチングができれば」。悪夢を振り払って力強く前に進んだ。5月24日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)から白星が遠のいている左腕。完全復活は、間近だ。

 ≪4連敗は自己ワースト≫能見(神)が6回を2失点で今季8敗目。6月14日の西武戦から4連敗は自己ワースト。今季はセ・リーグ新記録の5試合連続2桁奪三振など、メッセンジャーに次ぐリーグ2位93個の三振を奪っているが、この日はシーズン初の0個。能見が先発で5イニング以上を投げて三振を奪えなかったのは、プロ10年目で初めてだ。

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