楽天・斎藤 PRP療法で復活も「劇的には良くならなかった」

[ 2014年7月12日 05:30 ]

8日のインディアンス戦降板後、右肘をタオルで巻いて試合を見守った田中

 ヤンキース・田中が行うPRP治療を受け、見事に復活を果たしたのが斎藤(楽天)だ。

 ドジャース時代の08年7月12日に右肘に異常を訴え、じん帯部分断裂が発覚。当時38歳だった斎藤にトミー・ジョン手術の決断は委ねられ、自らPRP療法を選択。大リーグの投手が行うのは初めてのケースだった。

 斎藤は「良くなるかどうかは個人次第だと思うので、何とも言えない」と前置きした上で、「ただ、僕の場合は劇的に良くなることはなかった」と振り返った。治療で患部に注射する際、「奥まで針を入れるので凄く痛い」という。治療2週間後にリハビリを開始。9月15日のパイレーツ戦で65日ぶりに実戦復帰した。同27日にはセーブも挙げ、地区シリーズにも登板。「効果は分からないが僕は手術しないことを選び、今こうして投げられている」と話した。

 当時、斎藤にPRP療法を薦めたド軍スタン・コンティ・トレーナーは「注射でリハビリを選んだ場合の成功率は20%前後」と話していた。PRP療法に加え、細心のリハビリ過程が求められる。

 ▽PRP療法(Platelet Rich Plasma=多血小板血しょう)患部の血液を採取し、血小板を増やす培養を施したものを注射して自然治癒力を促進させる。皮膚のしわ、たるみなどを解消する形成外科の分野から発展した。他のスポーツでは男子ゴルフのタイガー・ウッズが左膝、NBAのコービー・ブライアントが右膝の治療に選択。近年の大リーグではトミー・ジョン手術を受ける前に、この療法を選択するケースが定番化している。

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2014年7月12日のニュース