12日バリ抹消でフィリップス昇格 球宴まで救援厚く選択肢増やす

[ 2014年7月11日 07:40 ]

広島のフィリップス

 総動員態勢で球宴までの6試合を乗り切る。広島は10日の阪神戦(甲子園)が台風8号接近の影響で中止となったため、名古屋移動後にナゴヤ球場屋内練習場で練習を行った。野村謙二郎監督(47)は11日に先発するバリントンを翌12日に抹消し、左腕のフィリップスを昇格させる方針を示唆。前田健以外の先発投手が試合を作り切れていない現状、リリーフ陣の層を厚くすることで、打てる手の選択肢を増やす。

 赤ヘル軍団が前半戦最大の正念場を迎えた。3連敗で3位・阪神とのゲーム差はなくなった。首位・巨人とは4・5差だが、11日から3連戦(ナゴヤドーム)を戦う4位・中日も3・5差に迫られている。野村監督は前半戦残り6試合を乗り切るための方法論にブルペン陣の拡充を選択した。

 まずは先発陣の再編から手を付けた。この日の阪神戦(甲子園)に登板予定だった前田健をスライド登板させず、12日の中日戦(ナゴヤドーム)へ。バリントンを予定通り、11日に起用し、翌日に出場選手登録を抹消。バリントンの代わりに中継ぎ強化として助っ人左腕・フィリップスを登録する。

 「まずは1にも2にも先発投手が頑張ってくれることだが、最近は先発がゲームをつくれていない。フィリップスが入ることで、早く見切って代えていくこともできる」

 監督はリリーフ陣を現状の7投手から1人増やすことで、打つ手のオプションを増やす構えだ。

 絶対的な投手力を武器に、白星を積み重ねてきたカープだが、直近10試合は5勝5敗ながら、前田健以外の先発投手に白星はなし。先の対阪神2戦では、序盤のビハインドが最後まで響いた形となり、投手陣全体として4試合連続で2桁被安打を喫している。

 「チームとしても、野手としても僅差で粘っていれば、モチベーションを保って戦える。ゲームを崩してしまうと野球も大ざっぱになって、作戦も限られてくる」

 勝つ確率を高めるために、得意とする接戦に持ち込む。その中で勝機を見いだしていく。

 前田健をスライドさせ、9連戦最後のDeNA戦(マツダ)に中4日で起用することもできた。バリントンの中4日先発、さらに右肩関節炎で2軍調整中の一岡を加え、勝利の方程式を再構築することもできた。全ての選択肢の中から、働き場所を選ばない助っ人左腕の登録を選択した指揮官。いい形で前半戦を終えるための、勝負手だ。

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2014年7月11日のニュース