山村国際 金星!徳栄倒した、2年生背番3が幻惑1失点完投

[ 2014年7月10日 05:30 ]

<花咲徳栄・山村国際>1失点完投にガッツポーズする山村国際・酒巻

埼玉大会1回戦 山村国際2―1花咲徳栄

(7月9日 県営大宮)
 第96回全国高校野球選手権大会(8月9日から15日間、甲子園)の地方大会は9日、9大会で38試合が行われた。埼玉大会の開幕戦では山村国際が昨秋県大会王者の花咲徳栄を2―1で破る大金星。酒巻大輝投手(2年)が1失点で完投し、打っては4回に決勝二塁打を放った。

 両腕を突き上げた。2―1の9回2死一塁。酒巻が最後の打者を中飛に打ち取った。本塁付近にできた歓喜の輪。山村国際ナインは優勝したかのように抱き合った。

 「勝つことができて本当にうれしい。絶対抑えてやるという気持ちで投げた」。背番号3を背負う2年生右腕・酒巻は興奮を隠せなかった。

 春夏通じて5度の甲子園出場を誇り、昨秋県大会王者の花咲徳栄を破る大金星。直球は130キロ前後ながら、縦に割れるカーブを織り交ぜ、優勝候補の打線を幻惑。3回に先制されたが、粘り強く投げ切った。バックも無失策でもり立てた。嵐山菅谷中時代は東松山中央ボーイズに所属し全国大会出場経験もあるが「自分に合っていると思った。ここで野球をすることが楽しい」と進路は迷わなかった。本職の打撃でも魅せた。4回2死から3連続四球で得たチャンスで、左越えに逆転二塁打を放った。

 大坂仁監督は「全員で一生懸命戦っていこう。野球を楽しもう」とナインを送り出した。速球派のエース右腕・菊地ではなく、花咲徳栄には酒巻の縦のカーブが有効と判断。酒巻の先発起用は、6月24日の抽選会後から温めてきた秘策だった。

 今夏のチームスローガンは「勢いと根性」。強肩捕手の堀内は初回に頭部死球を受けながら、最後までグラウンドに立ち続けた。「とても痛かったけど試合に出たかったので」ときっぱり。63人の部員たちは、野球を心から楽しみ、強豪校にもひるまなかった。

 「まだまだ野球がしたい。楽しみます」と酒巻は言った。創部6年目。元気と笑顔がチームカラーの山村国際が、開幕戦で下馬評を覆してみせた。

 ▽山村国際 1951年(昭26)に山村女子高校として開校された私立校。99年に男女共学となり現校名に。野球部は2009年に創部され最高成績は昨夏の4回戦。部員数は63人。住所は埼玉県坂戸市千代田1の2の23。山田良秋校長。

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