虎 コイ食ってウメ~6連勝!背番44梅野が甲子園1号 和製バースや

[ 2014年7月9日 05:30 ]

<神・広>4回無死、梅野は左中間ソロホームランを放つ

セ・リーグ 阪神3-1広島

(7月8日 甲子園)
 ウルトラ、6連勝や。阪神は8日、広島戦でドラフト4位新人の梅野隆太郎捕手(23)が2―1の4回に同じ1991年6月17日生まれの広島ドラフト1位右腕・大瀬良大地投手(23)から左中間席に5号ソロ。梅野の甲子園初本塁打で勢いづいたチームはそのまま逃げ切り、7月に入って負けなしの6連勝。2位・広島にも1ゲーム差と肉薄し、11日からの首位・巨人との3連戦(東京ドーム)を前に上げ潮ムードだ。

 左中間席に叩き込んだ。4回。梅野が、甲子園では初本塁打となる5号ソロを放った。阪神では鳥谷以来、10年ぶりとなる新人の甲子園弾だ。相手は同じ91年6月17日生まればかりか、九州出身の大卒ルーキーとキャリアまで同じ大瀬良。大学2年時の日米大学野球から日本代表でバッテリーを組んできた2人の対決は、元福岡大の主砲が元九州共立大のエースを打ち砕く結果となった。

 「打ったのは真っすぐ。ずっと三振させられていたけど、後ろばかり向いていても駄目。早いカウントだったので、思い切って振り切った。やり返せてよかった」

 1打席目は内角直球で押し切られて空振り三振。大瀬良からは3月12日のオープン戦(甲子園)で左中間二塁打を放ったが、開幕後は本塁打を放つこの打席まで3打数3三振。それも全て空振りで、まともにバットにすら当たっていなかった。

 1ボールからの2球目、高めに浮いた147キロ直球を完璧に捉えた。梅野のバットは通算28本塁打を放った大学時代からの「相棒」で890グラムとやや軽めだが、重心がヘッド寄りにあるため「振れる打者」でないと使いこなすことは難しい。

 「相手(大瀬良)にも痛い1点になった。自分の中で価値ある本塁打」

 梅野が振り返ったように、チームは大瀬良に過去2度の対戦で2敗。16イニングで2点しか奪えず、対戦防御率は0・56だった。それだけに、文字通り値千金の一発だった。関川打撃コーチからは「今までは慎重にボールを選びすぎていた。カウントを取りに来る球は甘い球も多い。もっと、打ちにいけば打てる。積極的にいこう」と指示があった。そして梅野が体現した。

 小学4年の春、母・啓子さんががんで34歳の若さで他界した。その後、父・義隆さんに男手ひとつで育てられたこともあり、気持ちの強さとハングリー精神を併せ持つ。背番号44。阪神を85年に日本一に導き、3冠王にも輝いたランディ・バース氏が背負っていた栄光の番号。7月は全試合でスタメンマスクをかぶり、6連勝に導いた扇の要は「自分のリードで投手が一生懸命投げてくれる。勝っていいリズムをつくりたい」と充実感を漂わせた。

 見事に隆起した胸囲は驚異の102センチ。和田監督が初対面の瞬間に、「何だ、この胸は!」と叫んだほどだった。前半戦最後の9連戦初戦を快勝。その指揮官は「梅野はああいう当たりが出るので魅力のある選手」と目を細めた。

 ◆梅野 隆太郎(うめの・りゅうたろう)1991年(平3)6月17日、福岡県生まれの23歳。福岡工大城東では正捕手兼主将ながら、甲子園出場なし。高校通算24本塁打。福岡大では1年春から全試合に出場し、3年春から4季連続リーグ優勝。4年時には春秋連続MVPを獲得し、昨年の日米大学野球では主将を務めた。昨秋ドラフト4位で阪神入団。3月28日の巨人との開幕戦(東京ドーム)の7回に代打で1軍初出場。1メートル73、80キロ。右投げ右打ち。

 ≪球団新人34年ぶり≫阪神が6日DeNA戦に続く毎回安打。2試合連続毎回安打は阪神自身が10年8月10、12日に達成して以来史上17度目のプロ野球タイ記録だ(チーム4度目)。また、阪神は5日DeNA戦の7回から20イニング連続安打。チーム連続イニング最多安打は05年ヤクルトの23イニングとなっており、9日の広島戦でプロ野球記録に挑戦する。この日は4回に梅野が5号ソロ。阪神新人の5本塁打以上は  
48年後藤(5) 69年田淵18
48年別当13 72年望月(7)
50年渡辺11 80年岡田18
57年並木(8) 14年梅野(5)
 と34年ぶりになった。

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