西武・栗山 憧れのほっと神戸で満弾 実家は徒歩10分

[ 2014年7月6日 05:30 ]

<オ・西>7回1死、満塁本塁打を放ち、渡辺(右)、秋山(左)とハイタッチをかわす栗山

パ・リーグ 西武6-1オリックス

(7月5日 ほっと神戸)
 苦節20数年、思い描いていた夢がついに現実のものとなった。1点勝ち越した直後の7回1死満塁。神戸の野球少年だった西武・栗山は馬原の速球を振り抜いた。打球は、左翼席に吸い込まれる今季2号となるグランドスラム。ゆっくりとダイヤモンドを一周した主将は、小さくジャンプし両足で本塁を踏んだ。

 「子供の頃からグリーンスタジアム神戸(現ほっと神戸)でホームランを打ちたいと思っていた。思い入れのある場所で、夢みたいです!」

 兵庫・育英高校から西武入りした栗山にとっては格別の一撃だった。試合が行われた同球場は、実家からは徒歩で10分ほどの距離で、試合前に「忘れ物をしてきたので、(実家に)取ってきてもらえませんか」と報道陣に冗談を言うほど。まさに庭のような場所だった。幼少の頃は、もちろんオリックスファン。友達と自転車で観戦に訪れ、イチロー(現ヤンキース)らのプレーに一喜一憂していた。そんな思い出の地で両親も見守る中、当地では23試合目にして初の本塁打を放った。

 プロ13年で本塁打は63本と決して多くないが、満塁弾は昨年8月2日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)以来で、通算で4本も放っている。ここ一番で勝負強さを見せつけ、田辺監督代行も「地元だから、空気が合うんじゃないの。チームを引っ張ってくれている、主将だね」と賛辞を惜しまなかった。

 0―1の6回には無死二塁から、同点の左越え適時二塁打。1人で5打点を叩き出した。全144試合の半分を消化したが、チームは5位で借金は12。ベンチには声を張り上げ、ナインを鼓舞する栗山の姿がある。「一つ一つ勝っていくこと、オリックスのような強いチームに勝っていくことに意味がある。あすも打ちたい」。リーダーは前だけを見ている。

 ▼西武・牧田(8回1失点で5勝目)終盤、球が走ってきた。悪いなりに粘ることができた。野手の皆さんに助けられました。

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