藤浪、連勝締めで球宴へ!成績今イチ複雑な思いだからこそ

[ 2014年7月4日 05:30 ]

オールスターに向け意気込みを見せる藤浪

 「マツダオールスターゲーム2014」(7月18日=西武ドーム、19日=甲子園球場)の監督推薦選手が3日に発表され、阪神・藤浪晋太郎投手(20)が選出された。2年連続の監督推薦による球宴出場も、今季の成績に不満を残す右腕は、前半戦で登板が予想される残り2戦の連勝フィニッシュを誓った。

 球宴出場が決まっても素直に喜べない自分がいた。高卒新人だった昨年に続く2年連続の出場にも藤浪は、今季の苦闘を思い返すように言葉を選んだ。

 「実際、成績も残していない。極端に悪いわけではないですが、オールスターに選ばれるような成績ではない。ファン投票で上位というわけでもない。選んでもらったことに、感謝したい」

 後ろめたい思いが胸を支配していた。ここまで5勝4敗、防御率3・53と、本人が言うように特筆するほど悪い数字が並んでいないが、13度の先発登板で4失点以上は7度を数える。先発が試合を作ったことを示す指標であるクオリティースタート(QS=6回以上自責点3以下)率は53・8%に止まっている。

 好不調の波が激しく、安定した投球が続けられていないのが現状。前回1日のヤクルト戦(甲子園)も序盤に打線の援護を受けながら6回6失点と楽な展開に持ち込めなかった。

 だからこそ、監督推薦での出場決定と同時に悲壮な決意を口にした。

 「前半戦をしっかり締めるという意味でも、オールスターに見合う成績を残すという意味でも、しっかり勝ちにつながる投球がしたい」。それは前半戦で残された2度の登板機会を快投で締めくくることを意味する。文句の付けようのない成績を残し、堂々とオールスターメンバーの仲間入りを果たして見せる。

 もちろん、選ばれたからには収穫も手にして帰るつもりだ。セ・パ両リーグの一流選手と交流できる機会が幾多とあるだけに「いろんな一流の方と交流できるし、いろんな話を聞くチャンス。それを生かしていきたいですね」とうなずいた。

 昨年は第2戦(神宮)で6回から登板すると、大阪桐蔭の先輩である中田に対して頭上を越えるボールを2度投げて“挑発”。あわや乱闘騒ぎ!?で球場を大いに沸かせた。「今年は(パフォーマンスは)特にないですね。自分の投球をするだけ」と控えめながら、日本ハム・大谷との対決などが予想される。本拠地・甲子園で第2戦が開催されるだけに「登板機会があれば、しっかり投げたい」と意気込んだ。

 「普段通りのピッチングをすることが一番のパフォーマンスと思うので、いつも通り、しっかり、自分の投球がしたいと思う」。完全復活を遂げ、夢舞台のマウンドに上がる。

 ★藤浪の13年球宴 7月19日の第1戦(札幌ドーム)では一塁ベースコーチを体験。プロ入り後初めて目の当たりにした大谷(日)の157キロ直球に「速かった」と驚きの声を上げた。翌20日の第2戦(神宮)では6回に4番手で登板して2イニングを2安打無失点、1奪三振。6回2死、大阪桐蔭の先輩・中田(日)の打席では西岡(神)と、バッテリーを組んだ谷繁(中)の指令のもと2球連続すっぽ抜けのスローボールで“挑発”。中田も怒ったふりで藤浪に詰め寄る「吉本新喜劇」ばりの連携プレーを披露し、球場は笑いに包まれた。

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2014年7月4日のニュース