新井、流れ引き寄せる2点適時打「いいところで打ててよかった」

[ 2014年7月2日 07:30 ]

<神・ヤ>1回、新井は中前適時打

セ・リーグ 阪神12-6ヤクルト

(7月1日 倉敷)
 背番号25が、つながった猛虎打線の象徴だった。初回、2―2と追いついて、なお1死二、三塁。右肘の張りを訴えた西岡に代わって、三塁では6月14日の西武戦(西武ドーム)以来の先発出場となった新井が、流れを一気に引き寄せる勝ち越し2点適時打を放った。

 「いいところで打ててよかった。どんどん振っていこうと思っていました。自分の打てるボールが来たら、スイングしていこうと」

 チームバスへ乗り込む際、少しだけ充実感を漂わせながら大粒の汗をぬぐって振り返った。

 立ち上がり不安定だったヤクルト先発・石川にたたみかけた。カウント1ボールからの、2球目。ストライクゾーンに入った125キロシンカーを中前へ運んだ。中堅手・上田が後ろにそらした間に、必死の形相で一塁を越えた付近から三塁へ到達。6月12日のロッテ戦(QVCマリン)以来となる適時打で、そして激走で、打線に活力を与えた。

 初回7得点の猛攻に倉敷の虎党が、沸きに沸いた。いきなり背負った2点ビハインド。しかし、上本、大和、鳥谷の3連打で無死満塁と攻め込むと、まずゴメスの右犠飛で1点を返した。三遊間に飛んだマートンの打球は遊撃手・森岡のグラブを弾く適時二塁打となり、同点。そして、新井が一振りで答えを出した。勢いに乗った打線は福留の適時打、トドメに梅野の2ランが飛び出して、この回大量7得点。そこから試合の主導権を握って離さなかった。

 新井は、常に戦える態勢にある。スタメンは6月22日の交流戦・楽天戦(甲子園)以来で、リーグ戦再開後は初だった。西岡の状態次第では、きょう2日のヤクルト戦(同)も続いて先発する可能性が十分にある。

 「いつでも準備はしているので」

 5回終了時に放たれた見事な花火のように、大勝に沸いた倉敷の夜。中心ではプロ16年目のベテランが、輝きを放っていた。

続きを表示

2014年7月2日のニュース