1点差負けも粘った広島打線 野村監督「野手は強くなっている」

[ 2014年7月2日 08:25 ]

<広・巨> 7回、1死二塁、丸は右越え同点2点本塁打を放つ

セ・リーグ 広島7-8巨人

(7月1日 マツダ)
 広島は1日の巨人戦に7―8で敗れ、首位攻防初戦を落とした。1点リードの8回、3番手・中田が坂本に逆転3ランを被弾するなど、投手陣の乱調が響いた。一方で、攻撃陣は天敵・菅野を攻略。中でも、丸佳浩外野手(25)の10号同点2ランを含む3安打3打点の活躍がキラリと光った。野村監督は「野手は粘り強くなっていると感じる」とし、2日以降の雪辱を誓った。

 見応えのある猛追劇だった。2点を追う終盤7回、本拠地に詰めかけた2万5千人超の観衆が大きく沸いた。視線の中心にいたのは背番号9。同学年の右腕に浴びせた一撃に意地と、今後のG倒への光を見た。

 「シンではなく詰まったけど、よく入ってくれた。インコースの球をヨコではなく、タテにバットを振れた感じです」

 敗戦直後、丸に笑顔はない。1死二塁に右中間二塁打の天谷を置き、カウント1―1から菅野が投じた内角高めの143キロ直球をはじき返した。右翼席へ着弾する2試合連続の10号同点2ラン。丸は続く8回にも山口から三塁線を破る適時打を放ち、2試合連続3安打猛打賞と気を吐いた。

 今季2戦2敗、通算でも1勝6敗と苦手とする菅野との対戦。丸自身は、しかし、難敵にめっぽう強い。20打数9安打の昨季に続き、今季も8打数4安打。通算でも28打数13安打、打率・464と打ち込み、振り返れば4月10日にも東京ドームで同点弾を放っている。

 「去年、今年と好結果が出ている投手の1人。集中力を持って臨めていると思います」

 防御率トップの右腕から年間2本のアーチを掛けたのは丸が初めて。この日はエルドレッドが2回に反撃弾を放ち、4回にはロサリオが2点同点打を左前へ運んだ。さらに丸の同点弾の直後にはロサリオ、田中が執念でつなぎ、菅野をマウンドから引きずり降ろした。

 「野手は本当に強くなっているなと感じる。防御率1位の菅野クンに対し、打線はいいイメージを持ってくれたと思う」

 開幕から声高にG倒を訴える野村監督は、敗戦を受け止めつつ前を向いた。前日30日の練習後、相撲を例に挙げながら強調した言葉がある。「まわしを取られた瞬間、軽いと思わせてはダメ。今年は重くなったと思わせないと」。天敵に痛打を浴びせた攻撃は“重くなった”と思わせるに十分で、今後の対戦にも確実につながるものだ。

 「一気にガンと強くなりたいけど、成長しているのは間違いない。明日また頑張ります」

 3・5ゲーム差となって迎える第2ラウンド。初戦の意地と粘りを、2日の快勝劇につなげたい。

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2014年7月2日のニュース