坂本“由伸バット”で2発!ルーズヴェルト・ゲーム制した

[ 2014年7月2日 05:30 ]

<広・巨>8回1死一、二塁、左中間に逆転3ランを放った坂本(左)はアンダーソンと手刀を斬り合うようなパフォーマンス

セ・リーグ 巨人8-7広島

(7月1日 マツダ)
 8―7のルーズヴェルト・ゲームを制した。巨人の坂本勇人内野手(25)が1日、広島との首位攻防初戦で起死回生の逆転弾を放った。5―6で迎えた8回1死一、二塁から左中間に6号3ラン。3回にも左越え5号ソロを放ち、4年ぶりの1試合2発だった。両軍合わせて5発が乱れ飛んだシーソーゲームに決着をつけ、2位・広島を3・5ゲーム差に突き放す勝利に貢献。若武者の獅子奮迅の活躍で、チームは3連勝を収め、貯金を今季最多13とした。

 一振りで敗色ムードを吹き飛ばした。5―3から5―6と逆転を許した直後の8回1死一、二塁。坂本は中田の直球を左中間席まで叩き込んだ。この日2発目となる値千金の逆転6号3ランに、興奮気味にナインとハイタッチを交わした。

 「(1試合2本塁打は)久しぶりですね。なかなかないこと。後ろにつなごうという意識でしたが、その中でしっかりとスイングできた。良い場面で打ててよかった」。3回にも大瀬良の145キロ直球を左翼2階席まで運び「うまくバットを出せてきれいに打てた」と自画自賛。10年8月26日の中日戦(東京ドーム)以来、4年ぶりの1試合2本塁打。3安打4打点と4試合ぶりの猛打賞で、打線をけん引した。

 尊敬する大先輩からパワーをもらった。8回、坂本は高橋由のバットを持って打席に立った。数年前から同じモデルのバットを愛用していたが、高橋由はグリップ部分をより細くしたものに改良していた。それに気付いたのが約1カ月前。高橋由から数本を譲り受けた。グリップを細く削ったことで、よりヘッドが 利き、遠心力が増す。この日放った2発はいずれも直球で、力負けしなかった。「しっかり甘い直球を打てた」としてやったりの笑みを浮かべた。

 夏バテしない強じんな肉体には陰の努力がある。表向きは「好きなもの食べてますよ」と笑うが、その日の体調に合わせビタミンやミネラルなど摂取するサプリメントの量や種類を調整。遠征先でも自ら調べて食生活のケアを怠らない。食事をサポートする明治製菓ザバスの管理栄養士・大前恵さんも「高度な質問をしてきて意識が物凄く高い」と感心する。この日の広島市の最高気温は29・8度。暑さを吹き飛ばすパワーをみせた。

 2失策と守備が乱れ、終盤に逆転を許す嫌なムードを振り払う逆転アーチ。原監督も「久しぶりに良い感じでね。起死回生というのが出ましたね」と賛辞を贈った。両軍で計5本塁打が飛び出した空中戦を制し、2位・広島とのゲーム差を3・5まで広げた。

 「総力戦でタフなゲームを勝てて良かった。良い間合いで振れていると思う」と坂本。頼れる25歳のリードオフマンが、首位固めを加速させた。

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2014年7月2日のニュース