阪神 打てん、5戦で4点 “大谷ショック”癒えず…

[ 2014年6月29日 05:30 ]

<神・中>9回1死一塁、福留(手前)に代打・新井を送る和田監督(右から2人目)

セ・リーグ 阪神1―2中日

(6月28日 甲子園)
 とうとう、一線を越えてしまった…。阪神は28日の中日戦(甲子園)で1―2と惜敗。4月9日以来、80日ぶりの借金1を背負った。勝率2毛差でかろうじて3位をキープも、4位・中日とのゲーム差はゼロ。低迷打開には、最近5試合でわずか4得点と不振に陥る打線の奮起が不可欠だ。

 打つ手がない―。まさに、そんな試合運びだった。3、4、6、8、9回と得点圏に走者を進めながら、得点は6回にゴメスの適時打で奪った1点のみ。今季4度目の対戦となった相手先発・山井を、とらえきれない。投手陣が2失点で踏ん張っても、肝心の打線が点を取れなくては勝てるはずもない。和田監督も、苦渋のコメントを絞り出すしかなかった。

 「投手は踏ん張っているんだけどね…。ちょっと(打線が)乗り切れない。辛抱するしかない」

 あと一本が、出なかった。3回は相手守備のミスから1死二塁の好機をもらうも、西岡、上本があえなく凡退。続く4回にも1死からゴメス、マートンの連打で一、二塁としながら、福留、梅野が相次いで倒れた。

 執念のタクトも実らない。勝ち越しを許した直後の8回無死一塁では、西岡に阪神加入後初となる送りバントを命じて1死二塁と好機拡大も、後続が続かなかった。9回1死一塁では福留に代打・新井を送ってまで1死一、二塁と最後の見せ場をつくったが、追いつくことはできなかった。

 深刻な貧打に陥っている。最近5試合で、得点わずか4。1試合平均0・8得点。これでは勝てるわけがない。思えば、打線が不振に陥ったのは18日の日本ハム戦(甲子園)で大谷の前に8回1安打無失点、11奪三振と完璧に封じられてからだ。“大谷ショック”を引きずっているのか…。関川打撃コーチは「試合を振り返ってばかりじゃなく、切り替えないと。(きょうの)打線も昨日(27日)組んだばかりだから」と前を向いた。

 この日の敗戦で、とうとう借金1。中日とのゲーム差もゼロになった。勝率2毛差でなんとか3位をキープも、きょう敗れればBクラスに転落する。このまま負の連鎖を断ち切れなければ、和田阪神に、いよいよ暗雲が立ち込める。「もちろんそういう(取り返す)気持ちでやるしかない。ゲーム自体は壊していないんで、何とかここで踏ん張って、もう一回上がっていけるようにしたい」と指揮官。目の前の試合に勝つしかない。

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2014年6月29日のニュース