阪神 執念ドロー 和田監督 覚悟の福留起用で再出発

[ 2014年6月28日 05:30 ]

<神・中>10回1死二塁、代打・関本が右前に同点適時打を放つ。投手・福谷

セ・リーグ 阪神2-2中日

(6月27日 甲子園)
 阪神はリーグ戦再開となった27日、延長12回の末に中日と2―2で引き分けた。必勝を期していた和田豊監督(51)は「1番西岡、2番上本」の新オーダーに加え、6番には昇格してきたばかりの福留を抜てき。13日の阪急阪神ホールディングス・株主総会では福留の起用に関して批判されていたが、覚悟の起用だった。

 痛烈な一打に上がった歓声もつかの間、最後は大きなため息に変わった。2―2の延長12回2死満塁。上本のライナーは、一塁手・森野にジャンプ一番好捕された。リーグ戦再開の一戦は、今季初めてのドロー。勝てなかったが、和田監督はナインを称えた。

 「(延長10回に)1点勝ち越されてから粘り強かった。チャンスもつくった。サヨナラで決めたかったけどね。(選手は)緊張感があって、その分少し硬かった。でももう一度、開幕のようなゲームをしてくれた」

 交流戦は3連敗フィニッシュで、負ければ借金生活へ突入していた中日との第1ラウンド。「この三つは大きなポイントになる。何としても取りたい」と強い意気込みを示していた一戦だった。西岡の戦列復帰で、注目された新オーダーは「1番西岡、2番上本」…。そしてそれ以上に、今後にかける指揮官の覚悟を感じさせたのが「6番・福留」だった。

 13日にあった阪急阪神ホールディングスの株主総会では、一部の株主から福留に関して痛烈なヤジが飛んでいた。開幕から不振を極めて打率・188で、直前の10日に2軍落ちしており、起用法や抹消のタイミングについての指摘だった。

 「和田監督もなぜ、今まで使っていたのか。なぜ、このタイミングで外すのか。訳が分からんことして負けてくれる」

 それでも、和田監督の信念が揺らぐことはなかった。節目のこの日に合わせ、新井良を抹消してまで出場選手登録。そして、即スタメンで起用した。その福留は7回に復帰初安打を飛ばすと、同点の延長12回には先頭打者で右前打。5打数2安打と結果を残した。指揮官も次戦以降に期待を込める。

 「ある程度、キレも出てきた。あしたもやってほしい」

 9イニングではわずか1点に終わり、新打線がいきなり機能することはなかった。それでも、負けなかった。1点を勝ち越された延長10回1死二塁では、代打・関本が同点の右前タイムリー。負ければ、借金生活という苦境を救った。28日は、文字通り仕切り直しとなる。執念ドローを生かすには、きょうも信念の采配で勝つしかない。

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2014年6月28日のニュース