村田、4番の意地弾!好機で代打送られ「悔しさあった」

[ 2014年6月23日 09:02 ]

<巨・ソ>2回2死三塁、左越え2ランを放った村田。原監督(奥)が手を叩いて喜ぶ

交流戦 巨人10―5ソフトバンク

(6月22日 東京D)
 熱い思いがこみ上げた。巨人の交流戦優勝を決定づける一撃を放った村田が、3回の守備に就く時だ。東京ドームに集まった4万5760人の大観衆からの「村田コール」。目頭を2度、押さえた。

 「きのうの試合では悔しい思いがあった。歯がゆい気持ちを持っていたので何とか結果で示すしかないと思っていた。結果が出てよかった」

 5―0の2回2死三塁。森の148キロ直球を完璧に捉えた。トドメの9号2ラン。左翼席中段まで達した打球を見届け、走りだした。前日は2点を追う9回無死二塁で、高橋由を代打に送られた。4回無死一、二塁の併殺打などが原因だったが、4番を務めながら勝てば優勝が決まる大一番で、好機で打席に立つことすら許されなかった。

 「悔しさはあったけど、あすもしっかりやろうという気持ちで過ごした」。優勝決定戦で9試合ぶりの一発。初回無死満塁では三ゴロだったが、先制点が入り「何もしないよりは1点取れて有利になったのでホッとしました」という。5回無死二塁でも中越え適時二塁打を放ち、2安打4打点。前日の雪辱を果たし、優勝の立役者となった。

 2月の宮崎キャンプ。臨時コーチを務めた松井秀喜氏が行ったミーティングで、素振りの意識について尋ねた。「全力でバットを振ることが大事だ」。第62代4番から心構えを説かれた第76代4番も、自宅の庭で素振りをするのが日課だ。「量より質を意識して調子の波を少なくする。打ち取られた投手や次に対戦する投手をイメージしながら振る。気持ちも入るでしょ」。前夜もバットを振った。悔しさを胸にだ。偉大な先輩から学んだ「4番道」を貫き、意地の一撃につなげた。

 原監督は「(村田)修一にはちょっと注射をしてあげるとすぐ結果が出る。でも、もう打ちたくないな」と冗談交じりに称えた。優勝記念品として交流戦マスコットのセカパカくんのクッションをもらった村田は「息子にあげて一緒に寝ます」とおどけながら帰路に就いた。

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