ロサリオ初サヨナラ弾!夫人へ「あなたのために打ちました」

[ 2014年6月23日 05:30 ]

<広・日>延長10回2死一、二塁、左越えにサヨナラ3ランを放ちナインから手荒く祝福されるロサリオ(中)

交流戦 広島7―4日本ハム

(6月22日 マツダ)
 4時間7分に及んだ熱戦に終止符を打つ一撃は、左翼席後方の防球ネットまで届いた。広島・ロサリオが延長10回2死一、二塁、増井の甘いフォークボールを完璧に捉える。7号3ランは来日初のサヨナラ本塁打。「キャリアでも記憶にない」と言う劇的な一振りに「とてもいい気分だ」と満面の笑みを浮かべ、お立ち台では観戦に訪れていた17歳年上のサンディ夫人(42)に向けて「あなたのために打ちました」と心憎いばかりの言葉を贈った。

 この打席でも「素晴らしい球を投げていたので、リラックスを心掛けた」と笑顔をつくっていた。ドミニカ共和国出身の陽気な性格。それまでの4打席は1度も外野に打球すら飛ばせずに凡退していたが、マイナス思考は一切持たない。「前進守備の外野をライナーで越すことを狙っていた」という打球は、左翼手の中田のはるか頭上を通過していった。

 春季キャンプ直前の1月末に契約を勝ち取った。当初は「第6の外国人」と目されていたが、与えられたチャンスで結果を残し、キラの不調により12日に3度目の1軍昇格。5連勝中は全試合で打点をマークする好調ぶりだ。左手首に黒と赤、2本のミサンガを巻いている。ドミニカ共和国製で、黒は数年前に自ら買い、赤は昨年に愛妻から贈られたという。「願い事は秘密だけど、夫婦で願いがかなうように」。交流戦最終戦で最高の願いがかなった。

 チームは交流戦で苦しみながらも、9連敗後に今季初の5連勝と最高の形で締めた。野村監督も「うちらしくない試合だったけど、取ると取らないでは大きな違い」。その視線は早くも、首位・巨人を2・5ゲーム差で追うリーグ戦再開に向けられていた。

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