藤浪 自己最多13K&136球報われた 虎2位浮上

[ 2014年6月18日 05:30 ]

<神・日>12回、マートン(背番9)のサヨナラ打に藤浪(左)も大喜び

交流戦 阪神4―3日本ハム

(6月17日 甲子園)
 今季3度目のサヨナラ勝利。交流戦初の連勝で5月28日以来の2位浮上。17日の日本ハム戦(甲子園)に先発した阪神・藤浪晋太郎投手(20)は勝ち星にこそ恵まれなかったものの、8回4安打1失点と好投した。直球は自己最速タイの156キロを3度マークするなど力感あふれる投球を展開。自己最多136球を投じ、同13奪三振と、新境地を切り開いてみせた。その力投に打線も応えた。延長12回2死一、二塁からマートンが中越えへ自身4度目のサヨナラ打となる二塁打。4時間46分の激闘を制した。

 勝ち星にこそ、恵まれなかった。それでも藤浪は先発の、いや、「3本柱」の矜持(きょうじ)を示した。自己最多となる136球を投じ、同13奪三振の力投で8回4安打1失点。背番号19は、最後まで崩れなかった。

 「(球数、三振の)数はともかく、元々、それくらい投げる自信はあった。結果としてチームが勝ったことが一番。勝ちにつながる投球ができたので、それがよかった」

 直球が走った。「序盤は慎重に行きすぎた」と振り返ったように初回、いきなり2者連続四球で無死一、二塁。だが、そこからが圧巻だった。まずは151キロ直球で大引のバント失敗を誘った。続く中田には自己最速タイ156キロを計測するなど150キロ台の直球で押し、最後は140キロカットボールで空振り三振に料理。ミランダも155キロ直球で見逃し三振に仕留め、波に乗った。

 2回以降も、球威は衰えない。1点リードの5回1死二塁から西川に中越え三塁打を浴びて同点に追いつかれるも、後続を断って最少失点で切り抜けた。その5回以外、得点圏に走者を背負った1、3、7回はことごとく三振で窮地を切り抜けてみせた。特に大引、中田、ミランダの3、4、5番には、1本たりとも安打を許さなかった。

 「しんどいところで、直球でカウントを稼ぐことができた。本来の投球ができたと思います」

 この日の13三振のうち8個を140キロ前後のカットボール、3個を140キロ中盤のスプリットで奪った。とはいえ、それらの球種が生きたのも、直球あればこそ。その球威は球数が100球を超えても、色あせない。

 8回1死無走者、中田を右飛に打ち取った155キロ直球が、自己最多タイの132球目。そして続くミランダに投じたこの日の134球目でも、自己最速タイの156キロを叩き出してみせた。78球投じた直球のうち8割以上となる65球が150キロ以上を計測。未知の領域に足を踏み入れても、力強さは不変だった。

 惜しくも5勝目はお預けとなった。ただ、藤浪にとっては、白星以上に価値あるマウンドとなった。

続きを表示

この記事のフォト

2014年6月18日のニュース