マエケン 投げ合う松井裕は「打席に立てないので、楽しみもない」

[ 2014年6月17日 05:30 ]

左脇腹が完治し、先発が予定される19日の楽天戦に向けマツダスタジアムで汗を流した広島・前田健

 ロッテ戦で9連敗を止めた広島は、18日から地元で楽天と2連戦。左脇腹の張りが完治した前田健太投手(26)は、先発が予定される19日の第2戦でチームを勝利に導く快投を誓った。相手は先発復帰する注目の高卒ルーキー・松井裕。停滞したチームと自身を波に乗せるためにも、沢村賞投手の威厳を感じさせる投球を披露し、18歳の左腕に投げ勝つ構えだ。

 悪夢の9連敗がストップした一夜明け。楽天戦先発が予定される前田健は野村とともに、午前11時からマツダスタジアムで最終調整に臨んだ。9日、呉二河球場での練習中に張りを訴えた左脇腹は完治し、右腕の表情はすこぶる明るい。

 「もう大丈夫。この間は体を治すことだけを考えていた。すぐに強い球が投げられたし、気にせず普通に投げられます」

 大事を取って12日の西武戦(西武ドーム)先発を回避したため、自身にとっては4日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来、中14日での先発。当日は大谷に投げ負け、今季ワーストの5回7安打5失点でマウンドを降りた。この間、チームは連敗トンネルに突入。右腕は胸中の葛藤を打ち明ける。

 「チーム状態がよくなかったので、できれば早く投げたかった。ローテが1回飛ぶのは気持ちもよくない。投げられるなら、自分で(連敗を止めよう)と思えるけど…」

 先発回避は長いシーズンを見越しての配慮。ただ、右腕にはもどかしさが募った。だからこそ、今回の“復帰登板”に気合を入れる。中継ぎ陣の負担が増えている折でもあり、「(先発と中継ぎは)1年間助け合い。今回は長いイニングを投げたい」と力を込めた。

 相手は1軍で先発復帰する松井裕。左腕との接点が少ないからか、前田健は苦笑しつつ「打席に立てないので、楽しみもないですね」と素っ気ない。交流戦はセの本拠地でDH制が採用されるため、打席で球筋を観察することも、球種を披露することもできない。

 ただ、大谷と投げ合った前回同様、全国が注目する一戦。立場上、2戦連続で負けるわけにはいかない。笑いながら口にした「打線に松井クンを打ってもらいたい」は本音だ。ちなみに、ルーキーとの対決は5勝5敗。高卒新人では13年7月7日、6回1失点で敗戦投手となった、阪神・藤浪と投げ合って以来だ。

 「1回(登板が)開いたので、気持ちはリセットできた。力を抜き、ここから余裕を持って投げていきたい。久々の登板がマツダ。チームを勝利に導く投球ができれば」

 再浮上を狙うチームはもちろん、自分自身のためにも松井裕に沢村賞投手の貫禄を見せつけ、5月29日、ロッテ戦(マツダ)以来の6勝目をつかむ。

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2014年6月17日のニュース