メッセンジャー“内弁慶”返上!8度目の挑戦でやっと

[ 2014年6月16日 07:36 ]

<西・神>7回2死三塁、金子侑を遊ゴロに打ち取ってグラブを叩くメッセンジャー

交流戦 阪神8―1西武

(6月15日 西武D)
 西武ドーム名物の長い階段を上がっていく阪神・メッセンジャーの頬は終始、緩みっぱなしだった。ようやく手にした価値ある白星に、声も弾んだ。

 「低めにボールを集めて自分のピッチングができたことが一番。(5回の打席で左翼フェンス直撃の)ヒットも打てたし、最高の気分だね。打率もちょっと上がったね」

 8度目の挑戦でようやく“内弁慶”を返上した。今季の4勝はすべて本拠地でマークしており、試合前まで敵地では7試合に登板し5敗、防御率4・93と極端に相性は悪かった。登板前日には「ボチボチ1勝したいね」と苦笑いを浮かべて言葉を絞り出していた右腕。悪夢払しょくを誓ったマウンドは、序盤の粘投でリズムに乗った。

 1点リードの3回、1死満塁から栗山に押し出し四球で同点。悪いパターンの時は、イラ立ちを隠せずここから一気に崩れるが、この日はひと味違った。

 「まだ1対1だったし、もう一度集中して、気持ちを切り替えられた」

 4番・中村を149キロの直球で空振り三振に仕留めると、メヒアはフォークで空を切らせ、最少失点で乗り切った。完全に立ち直ると、4回から8回まで許した安打はわずかに1本。終わってみれば、125球の熱投で来日自己最多となる13奪三振で4年連続の100K超え。西武打線を力でねじ伏せ5月17日以来の5勝目をつかみ取った。

 この日は「父の日」ということで、試合前練習ではゴメスとお揃いの青のリストバンドを着用。球場入りする前には神戸市内の自宅で留守番をしているべネッサ夫人から電話で「ハッピーファーザーズデイ!」と祝福された。

 「父の日にいいところを見せられて良かったよ。母の日に(夫人に)プレゼントをあげたし、父の日は何かもらえるだろうね」。いたずらっぽく笑った一家の大黒柱は、ひと仕事を終えて大粒の汗をぬぐった。次回は21日の楽天戦での登板が濃厚。完全復調を遂げた背番号54が猛虎を再び高みへ押し上げる。

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2014年6月16日のニュース