エルド逆転満塁弾!連敗9で止めた!3位転落も阻止

[ 2014年6月16日 05:30 ]

<ロ・広>7回1死満塁から中越えに逆転弾を放ったエルドレッド

交流戦 広島8―5ロッテ

(6月15日 QVC)
 14日ぶりにトンネル脱出だ。広島は15日のロッテ戦(QVCマリン)に8―5で逆転勝ち。3点を追う7回、悩める4番ブラッド・エルドレッド内野手(33)がバックスクリーンへ起死回生の21号満塁弾を放ち、試合をひっくり返した。負ければ最大12あった貯金が底をつき、今季初の3位転落危機を救った大砲の一発。赤ヘルは6月2勝目を飾り、連敗を9で止めた。

 バリントンが逆転を許し、継いだ小野も追加点を奪われる憂色濃い試合展開。きょうもまたダメか…。そんな負の空気をリーグ本塁打トップの大砲がひと振りで吹き飛ばした。球場の左側を真っ赤に染めた赤ヘル党を狂喜乱舞させる一発。4番の仕事を果たしたエルドレッドは破顔一笑だ。

 「打った瞬間に行ったと思ったけど、スタンドに入った時には本当に興奮したよ。チームには大きいホームラン。連敗を止められてよかった」

 2―5の7回だ。天谷の四球と菊池、丸の連打で築いた1死満塁の絶好機。カウント1―1から益田が投じた甘いスライダーを強振すると、放物線を描いた打球はバックスクリーンへ吸い込まれた。12日の西武戦以来の21号、5月18日の巨人戦以来今季2本目の満塁弾は、劇的な逆転アーチとなった。

 3・4月の月間MVP受賞者で序盤首位快走の立役者。だが、交流戦に入ると下降線をたどり続けた。9連敗中は30打数3安打3打点。安打はすべてソロ本塁打で、適時打もなく、打率3割を切った。が、三ゴロに倒れた3回の打席で感触をつかみ、右前打でつないだ丸の打撃に触発された。

 「三ゴロだったが、いいスイングができたし、感触が残っていた。丸の出塁で、自分もセンターへ打ち返すイメージが持てた。結果もよかった」

 個人的なモチベーションもあった。左腕にブルーのリストバンド、首にはシルバーのネックレスをつけて臨んだ父の日の試合。「リストバンドは父への感謝の気持ちを表すため。ネックレスは娘にもらったんだ」。米国に住むジムさん(55)にはさっそく国際電話で「I Love You」と伝えるという。家族への感謝の気持ちを最高の結果で表した。

 「一つ穴が開くと皆が振れてくる。真面目だから全打席打とうと思い、カリカリしていたけど、カントリーが一番いい場面で打ち、穴を開けてくれた」。試合前、“見逃し三振でもいい。いい場面で打ってくれればいいんだ”と声を掛けた野村監督は、起死回生打を放った大砲を絶賛した。

 チームの3位転落を阻止し、連敗は9で止まった。「この勝ちは大きいよ。これでみんなリラックスできると思う」。トンネルは抜けた。再浮上へ、頼れる助っ人は強く巻き返しを誓っていた。

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2014年6月16日のニュース