背中に15センチの手術痕…大隣 交流戦明け1軍マウンド目指す

[ 2014年6月14日 10:11 ]

大隣の背中には縦15センチほどの手術痕が残る

 「こんな病気があるんだ」。巨人・越智の病状を新聞紙上で知ったとき、ソフトバンク・大隣はさほど興味を示さなかった。まさか、同じ病魔が自らを襲うとは知るよしもなく…。

 「熱い、冷たいの感覚がなくなった」

 昨年4月29日のロッテ戦(QVCマリン)。左足の感覚が薄れた。最初は持病の腰痛の影響かと思っていたが、違った。5月31日の広島戦(ヤフオクドーム)では「一塁へベースカバーにも入れなかった」と言うほど症状は悪化。左足は常に、長く正座した後のようにしびれた。

 ただ、早期発見で昨年6月21日に手術を受けた。「野球ができなくなるとは考えなかった」。底抜けに明るい性格は術後も変わらなかった。主治医にオペの様子を収めたDVDをもらい、「興味があった。ノミのような道具で背中から叩いてた」と自宅で“観賞”。10月の秋季教育リーグで実戦復帰を飾り、鳥井田1軍コンディショニングコーチに「学会で発表しなければいけないレベルの回復」と言わしめた。

 「交流戦明けの(1軍昇格の)イメージはできている」。背中の中央には縦15センチほどの手術痕が残るが、未来予想図はしっかり描かれている。

 ▽黄色じん帯骨化症 脊髄の後ろにある椎弓と呼ばれる部分を上下につなぐ黄色じん帯が骨化して、脊柱管内の脊髄を圧迫する病気。初期症状として主に下肢の脱力やしびれがみられる。悪化すると両下肢まひをきたすこともあり、日常生活に支障が生じる可能性もある。国の特定疾患に指定されている難病で、原因は不明。ブロック注射などで痛みを和らげる方法もあるが、症状が進行している場合、手術が必要になる。

 ◆大隣 憲司(おおとなり・けんじ)1984年(昭59)11月19日、京都府生まれの29歳。京都学園では3年春の近畿大会優勝も甲子園出場なし。近大3年時の大学選手権で1試合19奪三振の大会記録を樹立。3、4年春はリーグMVP。4年秋の立命大戦で無安打無得点試合。06年大学生・社会人ドラフト希望枠でソフトバンク入団。通算117試合で43勝42敗、防御率3.46。1メートル75、86キロ。左投げ左打ち。

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