神奈川大 22年ぶり4強 3年生主将の胡麻が決めた

[ 2014年6月14日 05:30 ]

<仙台大・神奈川大>7回無死二塁から神奈川大・胡麻が右越え適時二塁打を放つ

全日本大学野球選手権第4日準々決勝 神奈川大3―1仙台大

(6月13日 神宮)
 準々決勝4試合が行われ、4強が出そろった。神奈川大は仙台大を3―1で下し、92年以来22年ぶりの準決勝進出。3年生ながら、主将を務める胡麻(ごま)裕宜外野手の適時打などで仙台大の152キロ右腕・熊原健人投手(3年)を攻略した。01年以来4度目の優勝を狙う東海大は大体大に4―3で逆転勝ち。大城卓三捕手(4年)は大会タイ記録の1試合2三塁打をマークした。

 整列を終えた神奈川大ナインは駆け足でベンチ裏へ向かった。素早く道具をまとめ、ロッカーに移動。その姿を見届けた古川祐一監督は「技術よりも精神面が成長した」と頼もしげに見つめた。

 6季連続の4位以下に終わった昨秋リーグ戦終了後、指揮官は最上級生の3年生ではなく、2年生の胡麻を新しい主将に指名。「低迷していたので、大改革しないといけなかった」と振り返る。荒療治ともいえたが、胡麻は「チャンスだと思ってやらせてもらった」と大役と向き合った。日々の練習やオープン戦で気がついた点があれば、学年の垣根を越え、選手だけのミーティングで意見を出し合った。チームの決め事には全力疾走を掲げ、試合での攻守交代はもちろん、練習中も徹底した。迎えた今春リーグ戦。10勝1敗で09年秋以来の優勝を果たした。

 4年生の能瀬はいう。「高校生みたいに全力疾走するとか泥臭くなった。大学生だからとか格好つけていたところがなくなって一体感が出てきた」。どんな時でも手を抜かず、打席ではコンパクトに振り切る。1―1の6回、詰まりながら右前まで運んだ。決勝打だ。7回には胡麻主将が右中間への適時二塁打で先輩に続き、日本代表候補に名を連ねる仙台大の右腕・熊原を見事に攻略した。

 2回戦で優勝候補の慶大を下して勢いに乗り、92年以来22年ぶりの最高成績に並ぶ4強入りを果たした。これで満足するチームではない。胡麻主将は「大会前から日本一を目指してきた」と、初の頂点だけを見据えた。

 ▼仙台大・熊原(初出場で4強目指すも7回途中3失点)入学時バント処理もできなかったのを先輩たちが教えてくれて、ここまで来られた。それを思い出したのと悔しさで涙が出た。

 ▽92年の神奈川大 エース右腕の渡辺秀一(元ダイエー)を擁して2年連続の出場。1回戦は九産大に3―0、2回戦は札幌大に13―4、準々決勝は明大を3―0で下して4強入り。準決勝は立命大に3―7で敗れた。

続きを表示

2014年6月14日のニュース