藤浪“涙雨”5回4失点 「高校ビッグ3」先発唯一の敗戦投手

[ 2014年6月12日 07:34 ]

<ロ・神>3回2死満塁、雨で制球を乱した藤浪は押し出しの四球を与える

交流戦 阪神3―8ロッテ

(6月11日 QVCマリン)
 冷たい雨が、背番号19の星取表を黒く染め抜いた。阪神・藤浪晋太郎投手(20)は11日のロッテ戦(QVCマリン)に先発し、5回5安打4失点(自責3)で4敗目を喫した。雨中のコンディション不良、初登板の慣れないマウンド、味方のタイムリーエラーなど悪条件が重なっての黒星。この日、くしくも日本ハム・大谷、中日・浜田とともに2年前の「高校ビッグ3」が揃って先発登板した中、1人が敗戦投手になってしまった。

 敗戦後の藤浪から、言い訳めいた言葉は一切出てこなかった。5回4失点で4敗目。不甲斐ない結果を、受け入れた。

 「雨で投げにくかったのは事実ですが、それは言い訳にならない。(雨だからこそ)しっかりと投げたかった」

 環境に、恵まれなかった。試合開始前から雨が降りしきるコンディション不良の中、臨んだ初のQVCマリンフィールド。雨に濡れたボールは滑り、指先が狂いやすくなった。幾度となく、泥土もスパイクに食い込んだ。さらに、慣れない初のマウンド周り。だからこそ、普段以上に細心の投球を心がけた。初回は自己最速にあと1キロに迫る155キロをマーク。思い切り腕を振り、3者凡退で立ち上がった。だが、2回にリズムを乱した。

 「1点目は仕方ない」

 運も、なかった。2回2死二塁のピンチ。打者・根元を一塁正面へのゴロに打ち取り、切り抜けたかに思えた。だが…。打球はゴメスのミットをはじいて、無情にも右前へと転がった。恵まれない条件下で、味方の拙守による先制点を許した。

 「2点目以降は甘かった。四球とか死球とか…粘りきれなかった。3回の1イニングをしっかり粘ることが出来なかったのが、悔やまれます」

 最後まで敗戦の責を一身に負ったが、3回にも記録に表れない“ミス”に見舞われた。1死一塁から、一塁走者・岡田が二盗を企図。タイミング的にはアウトだった。それが、セーフになった。「たられば」は禁物ながら、仮にアウトなら2死無走者の場面が、1死二塁の窮地に転じた。その後2死満塁とされ、角中に対して「もったいなかった」と振り返る押し出し死球。続く今江には左越え2点打を浴び、3失点。ただボール自体は決して悪くなかった。自分の投球だけが敗因ではない。それでも言い訳を口にすることはなかった。

 前回対戦の5月27日の同カード(甲子園)で8回無失点と好投し、3勝目。浮上のきっかけをつかませてくれた相手に、この日は苦杯をなめさせられた。ロッテは、甘くなかった。 

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