原巨人“迷いなき采配”山口→香月で交流戦&セ首位!

[ 2014年6月12日 05:30 ]

<日・巨>勝利を喜び合う片岡(左から2人目)ら巨人ナイン

交流戦 巨人2―1日本ハム

(6月11日 札幌D)
 巨人は11日、日本ハムに延長戦の末に競り勝ち、3連勝。セ・リーグに加え、オリックスと並んで交流戦の首位にも浮上した。原辰徳監督(55)は2―1の10回2死一塁の場面で、疲労の見える山口鉄也投手(30)から香月良太投手(31)に交代。大胆な継投策にベテラン右腕も期待に応え、オリックス時代の10年以来で、移籍後初セーブを挙げた。1点差試合は6連勝で接戦に強さが出てきた。

 原監督に迷いはなかった。1点リードした延長10回。2死一塁で山口が代打・鵜久森を迎えると、マウンドに向かった。そして、交代のアナウンス。「ピッチャー、香月」。巨人で抑え経験のない投手の起用。札幌ドームがざわつく中、香月は得意のシュートで遊飛に打ち取った。4年ぶりで移籍後初セーブだった。

 「山口もかなりイニングを投げているところもありますし、きょうに関しては(香月の方が)勝つ確率が高いと思った」。原監督は説明した。山口は6月に入り、7試合中4試合に登板。計5イニング投げて疲労がたまっていた。さらに今季、右打者の被打率・317に対し、香月は・244のデータもあった。それでも通算201ホールド、25セーブの山口から、オリックス時代の10年に1セーブを挙げただけの投手に代えるには勇気がいる。指揮官の決断に応えた香月は「まさか行くとはね。いつも(の登板)よりは気持ちいい」とポーカーフェースを崩した。

 移籍1年目の昨季は19試合の登板にとどまった。今季は22試合で防御率2・89。今や、マシソン、山口に次いで、久保と勝ち試合を任され、既に登板試合数は昨季を超えた。バドミントンのラケットを振るトレーニングでは、昨年まで耳の後ろから「ビュッ」と聞こえていた音が今季は、耳より前で聞こえる。より打者に近い位置でリリースできている証拠だ。

 打線は公式戦で初めて対戦した大谷の直球を徹底して狙い、2回に阿部、亀井の連打で先制。ただ1点しか奪えず、原監督は「対応という言葉を使うなら、もっと結果を出さないといけない」と苦言を呈した。そんな苦しい展開でも勝った。3連勝で今季最多タイの貯金8とし、交流戦、リーグともに首位に立った。

 「ギリギリの勝利に価値があるかどうかだが、あすにつながる、プラスになるゲームだった」。1点差試合は6連勝。接戦にも強い原巨人に死角は見当たらなくなってきた。

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