阿部 W記念弾空砲…松井超え333号&巨人捕手初1000点も 

[ 2014年6月8日 05:30 ]

<巨・西>5回2死、阿部は右越えソロを放ち通算1000打点を達成

交流戦 巨人1-3西武

(6月7日 東京D)
 試合後の巨人・阿部に笑顔はない。5回2死、岸の投じた144キロを右翼席へ運んだ。プロ通算1000打点の節目を、松井秀喜を超える球団歴代単独4位となる通算333号本塁打で決めた。だが、勝てば4月10日以来の首位浮上となる一戦で、キャプテンとしては、敗戦の事実が全てだった。

 「東京ドームで達成できたことはうれしい。(999打点以降)各球場で花束を用意していただいていた。ビジターの球場、球団スタッフの方々にも感謝したい」

 9試合ぶりの打点。本塁打は5月8日DeNA戦(東京ドーム)以来、22試合ぶりだ。慢性的な首痛の影響もあり、バットの出が悪く、ヘッドが寝て球威に押される場面が目立つ。この日も試合前にロングティーを繰り返した。「軽く振った割に飛んでいった」。久々に確かな感触が残った。

 「打点へのこだわりは常に持っている」。理由は「打点は一人の力だけでは挙げられない」からだ。個よりも勝利につながるプレーを意識して積み重ねてきた。

 一塁ベンチ上の最前列には、「永遠のコーチ」と呼ぶ父・東司さんの姿があった。この日は59歳の誕生日。安田学園入学時、上級生に正捕手がいたため、父は「三塁手がいい」と勧めた。本塁から二塁までの送球の距離が、三塁から一塁までの距離と一緒だからだ。小学校時代から神宮球場での野球観戦後も、親子の会話は常に捕手目線だった。今季は体調不良で吐き気を催す時もある。それでも、捕手へのこだわりが突き動かしている。そして父の前で、巨人の捕手として初の1000打点に到達した。

 「数字に関しては、いずれ引退したときにでも振り返りたい」

 あくまで通過点。だから阿部は余韻に浸ることはない。

 ▼巨人・原監督 1000打点まで時間がかかったが、巨人の主力バッターとしてさんぜんと輝く数字。まだまだこれからでしょう。

 ▼阿部の父・東司さん 凄いよね、1000打点。(入団時には)想像もできなかった。節目、節目に打ってくれて親孝行な息子です。

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