マー君 8勝!5月MVP最有力 指揮官エースの信頼「役割楽しんでいる」

[ 2014年6月2日 05:30 ]

<ヤンキース・ツインズ>躍動感ある投球で8回を1失点の田中

ア・リーグ ヤンキース3―1ツインズ

(5月31日 ニューヨーク)
 ヤンキースの田中将大投手(25)が31日(日本時間1日)、ツインズ戦に先発し、8回を4安打1失点で8勝目を挙げた。今季メジャーでただ一人続けている開幕からのクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)は11試合となり、1973年のスティーブ・ロジャーズ(エクスポズ)の16試合に次ぐ史上2番目の記録。防御率2・06はア・リーグトップを堅守した。5月は5勝1敗、防御率1・88で月間MVPの最有力候補となり、メジャー初タイトルが見えてきた。

 怒りを最高の1球に変えた。0―1の3回2死二、三塁。田中は5番アレシアへの2球目、スプリットが浮くと後ろを向き、地面に向かって吠えた。ファウルで追い込んだが、完全な失投。自らを戒めたのだ。3球目、捕手マキャンのサインに首を振り、直球を選択。この日最速95マイル(約153キロ)を外角低めに投じ、見逃し三振を奪った。

 「捕手の構えたところに投げられた。高さも良かったと思う」。他球場で96マイル(約154キロ)を出したことはあったが、95マイルは本拠地では自己最速タイ。この回無死二、三塁のピンチを背負い「三振を取りにいった」という。首位打者3度でイチローのライバルである3番マウアーを宝刀スプリットで空振り三振。4番ウィリンハムも宝刀で二飛に打ち取ったが、最後は直球にこだわった。

 多彩な変化球が持ち味でも「直球があっての変化球。どれだけ真っすぐを意識させることができるか」との思いが常にある。メジャー初登板した4月4日のブルージェイズ戦では序盤からカウント球でもスプリットを求めるマキャンと話し合い、直球系を増やした。「最近は左打者の外角、右打者の内角へ(指が)引っ掛かって中にいくケースが多かった」。直球の制球に苦しむ中で手応えをつかんだ。

 楽天を球団初の日本一に導いた昨季、田中が「ベストピッチ」に挙げたのはリーグ優勝を決めた9月26日西武戦(西武ドーム)だった。1点リードの9回に救援。1死二、三塁のピンチを招いたが、栗山、浅村を8球連続直球で連続三振に仕留めた。この時も嶋のサインに首を振り、直球にこだわった。自己最速は156キロ。田中いわく、「気持ちと体のバランスがしっかり合った」時にスピードは更新できる。

 8回1失点で8勝目。日米連勝記録が34で止まった後、再び2連勝を収めた。リーグ2位タイの勝利数に、防御率2・06はリーグトップ。5月を5勝1敗で終え、メジャー初タイトルとなる月間MVP最有力候補になり、オールスター出場も見えてきた。田中は「エースとは思っていない」と謙遜するが、ジョー・ジラルディ監督はエースと認め「彼はその役割を楽しんでいる。仮に7回1失点なら完投できなかったと悔しがる。自分に高いものを求め、強い責任感を持っているのがエース」と信頼を寄せた。

 ▼ヤ軍・マキャン 投げるたびに素晴らしい投球。もう褒める言葉も見当たらないよ。それほどに素晴らしい。

 ◆スティーブ・ロジャーズ 71年にドラフト1巡目(全体の4番目)でエクスポズに入団。73年7月18日アストロズ戦でメジャーデビューし、8回2失点で勝敗は付かず。2戦目から2連続完封し、シーズン最終登板の9月29日パイレーツ戦で5回1/3を4失点(自責3)で降板するまで16試合クオリティースタートを続けた。1年目は10勝5敗、防御率1・54。力投派の右腕で、エ軍一筋13年間で通算399試合に登板し、158勝152敗、防御率3・17。61歳を迎えた今は、大リーグ選手会に勤務。

 ≪5月で8勝 石井、松坂に次ぐ日本投手3人目≫5月までに8勝は日本投手では最多タイで、02年のドジャース・石井、08年のレッドソックス・松坂に次いで3人目。08年の松坂はその後も順調に勝ち星を伸ばし、日本投手年間最多の18勝(3敗、防御率2.90)を挙げた。田中には1年目から、日本投手年間最多勝の期待も懸かる。

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