小山 621日ぶり白星!スパイクに刻んだ両親への「感謝」

[ 2014年5月26日 05:30 ]

<巨・日>女性ファンが作る花道を笑顔で引き揚げる小山

交流戦 巨人2―0日本ハム

(5月25日 東京D)
 巨人の小山雄輝投手(25)が25日、日本ハム戦で今季初登板初先発し、7回1/3を2安打無失点の快投で今季初勝利。12年9月11日の広島戦(東京ドーム)以来、621日ぶりの白星を挙げた。4年目右腕は1メートル87の長身から落差のあるフォークを決め球に7奪三振。前カードでロッテに2連敗を喫したチームを救い、自らも初めてつかんだチャンスをものにした。

 完封ペースだった8回1死二塁。小山が交代を告げられると、東京ドームはため息に包まれた。巨人ファンはもっと見たかった。ベンチに戻る4年目右腕に拍手と声援が降り注ぐ。立ち上がって迎える観客までいた。

 「久しぶりの1軍のマウンドでしたし、そういう歓声が気持ちよかった。チームに勝ちをつけることができて良かった」

 5回1死まで無安打の快投。圧巻は7回だ。3番・大谷、4番・中田、5番・ミランダのクリーンアップから3者三振を奪った。決め球は全てフォーク、全て空振りで奪ってみせた。「終盤にフォークがよく決まってくれた」。強烈な奪三振ショーが、交代時の球場の反応にもつながった。

 得意球はもちろんフォーク。フォームの改良で精度が増した。ためを求めて折っていた軸足の右膝を伸ばした。1メートル87の長身を最大限生かすフォームにしたことで角度がついた。さらに上から投げ下ろすようになったことで体の開きが抑えられ、制球力も上がった。カウントを取るスプリット系に加え、握りを深くし、決め球になるフォークを習得。2種類を投げ分けられるまでになった。

 昨年は未勝利に終わった。「横の変化球を覚えれば幅が出る」とオフにはカットボールを習得し、春季キャンプ中にはFA移籍した大竹からシュートも伝授された。だが、キャンプ中の実戦で結果を出せず、2月26日に2軍落ちした。その直後にはインフルエンザを発症した。ただ、プロ4年目を迎え、たくましくなった。「これまでも(1、2軍を)行ったり来たり。浮かれたり、下を向いていてもキリがない」

 先発の谷間でつかんだチャンスで一発回答。チームの連敗も止めた25歳に原監督は「大きな自信を持ってくれたらいい。次も期待したい」と目を細めた。小山のスパイクの右足には「祥」、左足には「幸」の文字が刺しゅうされている。父・祥一さん、母・幸子さんから一文字ずつ取った。「人に感謝する気持ちを忘れないように。一番は両親ですから」。小山は両親にとっても、原監督にとっても自慢の孝行息子だ。

 ◆小山 雄輝(こやま・ゆうき)1988年(昭63)12月5日、愛知県生まれの25歳。大府では甲子園出場なしも1年夏からベンチ入り。天理大では2年まで投手兼内野手。4年春に4勝3完封、防御率1.03でベストナイン。10年ドラフト4位で巨人入り。2年目の12年に1軍で2勝を挙げたが、昨季は10試合で未勝利に終わっていた。1メートル87、78キロ。右投げ右打ち。今季年俸1800万円。

 ≪日本ハム打線も脱帽≫

 ▼大谷 良かったです。全体的に。

 ▼中田 しっかり投げていた。初回は球に勢いを感じたし、途中から球が動いていた。

 ▼ミランダ 予想以上に鋭い切れだった。

続きを表示

この記事のフォト

2014年5月26日のニュース