聖地で再びの「55」…松井氏 1662日ぶり“ストライプ弾”

[ 2014年5月26日 05:30 ]

<野球殿堂記念試合>試合前に行われた“ホームラン・ダービー”で本塁打を放ち、チームメイトと笑顔でタッチを交わす松井秀喜氏

 1662日ぶりのピンストライプ弾だ!元ヤンキースの松井秀喜氏(39)が24日(日本時間25日)、野球殿堂博物館があるクーパーズタウンで、大リーグOBによる野球殿堂の記念試合にヤ軍代表として「5番・左翼」で出場。4回に先制のソロ本塁打を放った。ヤ軍の背番号55でプレーするのは、ワールドシリーズMVPに輝いた09年11月4日のフィリーズとのワールドシリーズ第6戦以来。「お祭り男」が再びニューヨークのファンを沸かせた。

 緑に囲まれた歴史あるダブルデー・フィールドに快音が響き渡った。0―0の4回2死、打球の行方を確認した松井氏は、一塁を回ったところで軽くガッツポーズ。312フィート(約95・1メートル)の右翼ポール際を越え、場外に運ぶ推定110メートルの先制弾に、6063人の満員の観衆から、この日一番の歓声が上がった。

 「目をつぶって振ったら当たった。やっぱり気持ちいいですね。現役の時は淡々と走るしかない。笑いながら走れるなんてないですよ」

 ブレーブスの黄金期に活躍した左腕エイブリー氏のスライダーを叩いた。練習は「家で素振りをしていたくらい」と言うが、大舞台での強さは現役時代と変わらない。

 実戦は、レイズに在籍した12年7月22日以来だが、「ヤンキース・松井」となると、09年ワールドシリーズ第6戦以来、1662日ぶりだ。その試合で先制2ランを放ったペドロ・マルティネス氏がア・リーグの先発を務め、本塁打は当時とそっくりの軌道。サイ・ヤング賞3度の右腕は「対戦しなくて良かった」と笑い、自身のツイッターに2ショット写真を投稿するほど再会を喜んだ。

 09年から始まった殿堂記念試合に日本人が出場するのは初めて。今年は初の試みとして30球団を代表してメンバーが選出され、ヤ軍代表としての出場に「光栄です」としみじみ話した。7回戦制の試合は降雨のため6回表終了で打ち切り。松井氏は三ゴロ、本塁打の後は6回1死から一ゴロ併殺打で最後の打者となったが「負けていない最後の打者で良かった。負けていたら本塁打の喜びも半減だった」と勝負師の顔も少しのぞかせた。
 一日限りの復活。現役復帰について振られると「この後またドロンですけど。また、5年後くらいに会いましょう」と笑わせ、聖地を後にした。

 ▽殿堂記念試合 09年から始まり、今年が6度目(昨年は雨で中止)。08年までは殿堂奉納試合として、大リーグ2球団によるオープン戦が行われていた。日本選手では07年に大家(ブルージェイズ)が、08年に福留(カブス)が出場。1939年に始まり野球殿堂の運営資金となっていたが、日程調整に不満の声が上がり、08年を最後に廃止された。ア・リーグはフィル・ニークロ氏、ナ・リーグはオジー・スミス氏が監督を務めた。

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