プロ野球初「ルーズヴェルト・ゲーム」はGT第1戦だった

[ 2014年5月20日 05:30 ]

 「ルーズヴェルト・ゲーム」と呼ばれ、一番面白いとされるスコア「8―7」。プロレベルでは打撃戦に分類され、実際目にする機会はあまり多くない。日本のプロ野球における「8―7」の意外な歴史をひもといてみる。

 「8―7」のスコアで決着したプロ野球公式戦は2011~13年の3年間で11試合あり、年平均で3.7試合。今季は交流戦前の254試合中、4月20日の阪神8―7ヤクルト(神宮)の1試合しかない。それ以前の01~10年は80試合、年平均で8.0試合もあったから、近年は希少価値が高まっているといえるだろう。

 プロ野球最初の「8―7」試合は、公式戦が始まった1936年にさかのぼる。同年7月15日に名古屋・山本球場で、巨人とタイガース(現阪神)が初めて公式戦で対戦した。タイガースが最大3点差を8回に追いつき、9回に決勝点を挙げ逆転勝利。7回から救援した藤村富美男が勝利投手となった。後に「伝統の一戦」と呼ばれる同カードの初戦が8―7のスコアだったのだ。もっとも、ルーズべルト米大統領の言葉が生まれたとされるのは翌37年。日本第1号はその前年になる。

 「8―7」試合の通算成績を見ると、チーム別では巨人が36勝26敗で勝利数、勝率とも順当にトップ。投手別では歴代最多通算400勝の金田正一が7勝(国鉄6、巨人1)で最も多い。2位は渡辺久信、松浦宏明の4勝と意外な顔ぶれ。4位タイの3勝には別所毅彦らと並び、通算31勝の永川勝(広)が現役で唯一ランクインした。

 ちなみに、長男・阿須加がドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」に出演している工藤公康も巨人時代の04年7月2日広島戦に8―7で勝っている。その試合でプロ通算250号の満塁弾を放ったのは現侍ジャパン監督の小久保裕紀だった。

 ◇巨人―阪神初公式戦(36年7月15日 山本)
タイガース
 000 300 221―8
 002 220 100―7
巨人
 (タ)若林、○藤村―小川
 (巨)前川、●青柴―中山
 [本]山口(タ)中島、林(巨)

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