オリックス強い！球団史上初めて首位で交流戦へ！

＜オ・ソ＞快勝を喜ぶ（左から）山本、安達、原拓らオリックスナイン

パ・リーグ オリックス７―２ソフトバンク　

（5月18日 京セラＤ）
　男前のオリックス・森脇監督を喜ばせたのは、いてまえ打線だった。

　「きょうは僕の出る幕はなかった。コーチ、選手がよく動いてくれた。チームが少しずつ前に進んでいる手応えがある」

　ソフトバンクの携帯電話もよくつながるが、オリックス打線は見事なまでにつながった。０―１の２回、６連打など一挙６点の猛攻で勝負を決めた。きっかけをつくったのは、前夜のサヨナラ勝ちを演出した下位打線だ。７試合ぶり先発出場の７番・駿太が初球を左前に運び、すかさず二盗。続く安達が内角球を強引に右前打し、山崎勝の絶妙なバント安打で満塁にした。

　前夜も１２回に先頭の駿太が四球で出塁し、続く安達がバスターエンドランを成功させた。安達が「上位につなげば、還してくれる。自分を犠牲にしてでもつなぐ」と信頼を口にする上位打線が、これに応える。ヘルマン、平野恵、糸井の３連続適時打で５点。その後さらに１点を加えた。

　この日で５月全試合、１５試合連続安打となった糸井は「（２回の適時２点二塁打は）見逃せばボールだったかもしれません。いやあ、首位っていうのは気持ちいいですね」と充実の笑顔。さらに決勝打を放ったヘルマンは「一人が試合の中で打てなかったり、ミスをしたりしても、必ず次の人がカバーできている」と胸を張った。

　それにしても、この日もスタメン５人が「外様」だ。ヘルマン（前西武）、ペーニャ、山崎勝（前ソフトバンク）が今季から新加入。平野恵（前阪神）、糸井（前日本ハム）も昨季に移籍した。ここに従来なら、今季に楽天からトレード移籍した鉄平が加わる。全員が一度は不遇をかこった経験を持ち、追われるようにしてオリックスに来た輩（やから）だ。そんな似た境遇が、逆に不思議な一体感を生み出している。

　首位攻防の３連戦をすべて取り今季３度目の５連勝。貯金を今季最多の１２とした。最高の形で球団史上初めて交流戦に首位で突入する指揮官は「またリセットして、新たな気持ちで一戦一戦戦っていきたい」と端正なマスクを引き締めた。