大和 1172打席目のプロ1号「ゆっくり走ったのは初めて」

[ 2014年5月15日 07:48 ]

<広・神>3回2死、大和は左越えにプロ初本塁打を放つ

セ・リーグ 阪神4-3広島

(5月14日 米子)
 阪神が逆転で首位・広島を破った。14日、米子での一戦は1点を追った3回2死、大和外野手(26)が先発・小野から同点のソロアーチを左翼へ放った。プロ9年目、1172打席目、米子で生まれたうれしいプロ1号で、同期入団でもある先発岩田の3勝目を援護。前夜の延長12回サヨナラ負けの悪夢を払しょくする大きな1勝となった。

 4年ぶりに訪れた米子の夜空に、きれいなアーチを描いた。打ったのは、他の誰でもない、大和だ。入団から9年目に生まれたプロ初アーチ。初体験をかみしめるように、背番号0は大歓声を浴びてダイヤモンドを一周した。

 「あんなに(ダイヤモンドを)ゆっくり走ったのは初めてだったので不思議な感じでした。とにかく塁に出ようと思っていました。粘って粘って打ったので、自分の中では価値があると思う」

 1点を追う3回2死だった。2球で2ストライクと追い込まれながら、フルカウントまで粘った11球目。真ん中高めのスライダーを強振した。「追い込まれていたのでとにかく塁に出ることだけを考えていた。ホームランになったのはたまたまです」。打球は虎党が待つ左翼スタンドまで一直線。プロ1172打席目に生まれた、うれしい1号同点アーチだった。

 「ビックリというか、“超”がつくよね。この球場でくらい(しか出ない)。オレもあんな感じだった」

 ベンチでは和田監督が目を丸くしながら、15年前、99年の一発を懐かしんだ。5月19日の広島戦、同じ球場で左越えに場外本塁打を放っていた。

 「おっつけに入ったところに、インスラが入って来て、体が自然に反応した。強引にいかなくても、芯にとらえればポール際にいったね。幅が広がりつつあるね」

 2番打者として地位を確立しようとしている大和の発揮した意外性を、指揮官も自分のことのように喜んだ。

 守備での存在も価値あるものだ。西岡、上本の離脱もあって二塁での先発は今季6試合目。今季から外野手登録だが、本来は職人肌の内野手であり、指揮官も「二遊間の守備は一流の域。内野を守らせたいくらいの選手だから」と目を細める。

 鳴尾浜でリハビリを開始した西岡からは時々連絡をもらう。「褒め言葉はくれません。ダメだしですね」。照れくさそうに笑うが、チームの勝利を、後輩の活躍を願う兄貴分からの叱咤(しった)激励は、大きな力となっている。

 「ボールは戻ってきていませんが、戻ってくると思います。奥さんに渡そうと思います。ホームランが出るとは思わなかったのでよかったです」

 少し照れくさそうな笑顔を残してチームバスに乗り込んだ。決して忘れられない、米子の夜となった。

 ≪1172打席目の初本塁打≫大和(神)が3回、小野から左越えに1号ソロ。プロ入り1172打席目の初本塁打となった。なおプロ1号が最も遅かったのは98年村松有人(ダイエー)が4月12日の近鉄戦で打った1566打席目。現在大和の打席数を超えるプロ入りから本塁打なしを継続中は、岡田(ロ)1680、松本哲(巨)1282、山本昌(中)1206の3人で、プロ野球記録は横沢七郎の1770打席(本塁打ゼロのまま47年に引退)。

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