初三塁の田中浩が、代打・川端が仕事 サプライズG倒

[ 2014年5月14日 09:27 ]

<巨・ヤ>5回2死一、二塁、先制の中適時二塁打を放つヤクルト・田中浩

セ・リーグ ヤクルト6―4巨人

(5月13日 いわき)
 巨人との3時間49分に及ぶシーソーゲームを制したヤクルト・小川監督は「みんなでつないだ。追いつかれて追い越して、非常に大きな1勝」と興奮気味に振り返った。

 2点リードの7回。先頭ロペスの左翼ポール際への打球は本塁打と判定された。「ファウルではないか」と抗議に出たが、地方球場ではビデオ判定が導入されておらず、審判団の協議で判定は覆らなかった。「ルールに書いてあるが、地方球場だからビデオ判定をしないというのは矛盾している。納得できない」。左翼のバレンティンも「近くで見ていてファウルと思った」と首をかしげた。「疑惑の本塁打」から同点に追いつかれた。連敗中のチームに嫌な空気が流れかけたが、チーム一丸で吹き飛ばした。

 この日、小川監督は「3番・三塁」に田中浩を抜てき。今季初スタメン、プロ10年目で初めての三塁守備だった。前日の移動前、クラブハウスで目に飛び込んだのはサッカーのW杯日本代表メンバー23人の発表会見。競技は違えど、チームの指揮を執る立場はザッケローニ監督も同じだ。大久保をサプライズ選出したことに「選考理由とか気になる。やはり攻める気持ちが必要」と胸に刻んだ。かつてサッカー日本代表が合宿を行ったJヴィレッジが近くにある福島県いわき市での試合で、小川流の「サプライズ人選」を見せたのだ。

 腰の張りのため先発落ちした川端に代わり、最近2試合で起用していた森岡ではなく、左の杉内対策として選んだのが田中浩。5回に先制の左中間二塁打で期待に応えた。小川監督は9回1死満塁となったところでも、三塁走者のバレンティンに代走・三輪を送った。7回にリーグトップの14号ソロを放った主砲を代えて勝負に出た。打席には「とっておきの代打」(小川監督)の川端。右前打で試合を決めた。

 「(ロペスの本塁打で)流れを変えないように何とかしようとみんなで言っていた」と川端。田中浩も「連敗を止められてよかった」と胸を張った。連敗は4で止めたが、最下位に変わりはない。それでも浮上するきっかけとなる価値ある1勝だった。

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