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大谷 初完投完封!今季パ最短2時間30分で片付けた

[ 2014年5月14日 05:30 ]

<日・西>スコアボードを背にポーズを取る日本ハム・大谷

パ・リーグ 日本ハム3―0西武

(5月13日 函館)
 二刀流2年目で悲願達成だ。日本ハムの大谷翔平投手(19)が13日、西武戦に先発し、6安打に抑えてプロ初完投を完封で飾った。函館での初登板でプロ入り最多となる126球の熱投。プロ入り後最速の158キロを計測するなど、威力抜群の直球を主体に9三振を奪った。今季パ・リーグ最短の2時間30分での完封劇で、早くも新人だった昨季を上回る4勝目をマーク。二刀流伝説が本格的に幕を開けた。

 必死だった。9回2死一塁。大谷は代打・米野の強烈な打球にグラブを出した。打球はこぼれて三塁に転がる。飯山が一塁に送球し、試合終了。先輩に「ありがとうございます」と頭を下げた。「投手・大谷」の目標だったプロ初完封。函館のファンから歓声を浴び、お立ち台に上がった。

 「最後までいきたいと思った。今までは7回で終わっていたけど、ようやくできた。完投や完封がどういう感じか分かった。凄く自信になる」

 最大瞬間風速15・5メートル。初回は強風に加え、不慣れなマウンドに苦しむ。2四球を与え、マウンドに足を引っ掛けてプロ入り初のボークを取られた。1死一、三塁。「思ったより風が強くて慌てた」。最初のピンチで4番・浅村をスライダーで投ゴロ併殺に打ち取り、落ち着きを取り戻した。

 次第に強風を味方につけた。体が前方に突っ込んでいたフォームを修正。本塁方向へ吹きつけるため、追い風となり「投手有利の風」とスピードが増す直球で押した。硬いマウンドも味方につけた。踏み出す左足が土に刺さり、反動がつきやすいためだ。5回2死一、二塁の木村との対戦では振り遅れの一ゴロに仕留めた。スコアボードに球速表示はないが、球場での計測ではプロ入り後最速の158キロ。花巻東3年時に計測した自己最速の160キロにあと2キロに迫った。「木村さんには打たれていたので気持ちを出していった」。4月12日に3安打された相手を力でねじ伏せた。初対決の中村も4打数1安打に抑え「速かった」と悔しがらせた。126球中、直球は88球。そのうち72球が150キロ超えだ。

 今オフは背筋や体幹を重視したトレーニングで筋力を強化。投球時に軸足でしっかり立てるようになり、強風にもフォームはブレない。チームトップの5勝を挙げ、大谷のキャッチボールの相手を務める1学年先輩の上沢は「軽く投げても指先に掛かっていて球がもうひと伸びする感じ。怖い」とその凄みを証言する。

 ただ速いだけではない。スライダーで緩急をつけた上、カウントも取れた。直球と軸になる2つの球種を完璧に操り、完封につなげた。無安打の栗山は「対戦するごとに(力任せでなく)ピッチングになっている」と成長を認めた。花巻東時代は成長痛などに苦しみ、9回を投げ切ることも少なかった。同期で慶大野球部の小原大樹は「高校時代に完投はあっても、完封したことはなかったはず」と驚いた。

 年1回の函館遠征で初めて投げ、プロ入り最高の投球を見せた。「何とか勝っていい思い出を残したかった。また来年も投げたい」。真の二刀流として進化を見せた19歳は再び大歓声を浴びた。

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