DeNA ハマスタ1000勝 4・5以来最下位脱出

[ 2014年5月11日 05:30 ]

<D・ヤ>7回1死二塁、左越え2ランを放ったバルディリス(左)に拍手を送るDeNA・中畑監督。右は筒香

セ・リーグ DeNA2―1ヤクルト

(5月10日 横浜)
 笑うな、と言う方が無理だ。わずか1安打で3連勝。DeNA・中畑監督は試合後、4月6日から1カ月以上座り続けていた最下位から脱出したことを問われると、「うっせーよ!」と笑顔で第一声。続けて「勝っちゃっていいのかなぁ。でも、これが野球なんだよな。私の経験上でも希少価値の高い試合」と声を上ずらせた。

 7回1死までナーブソンの前にタイミングが全く合わず無安打無得点が続く。12年に監督就任以来、広島・前田健、中日・山井に2年連続でノーヒットノーランを許した屈辱が脳裏をかすめた。「毎年経験しているから。ボチボチかなぁと思った。ドキドキよ。手の中は汗でびっしょりだった」。最悪の負け方も覚悟した。

 その重苦しい雰囲気を変えたのが、オリックスから移籍後初めて4番を務めたバルディリスだった。7回まで無失点と力投していたモスコーソに「本塁打を打ってくる」と約束して向かった7回1死二塁の打席。初球のスライダーを捉えた。打った瞬間、一塁ベンチのモスコーソに向けて指さす。それほど完璧な打球で左中間席へ7号2ランを運んだ。

 「名前が長いからバルさんにしよう。バルさん、効き目1発!」と殺虫剤にかけたキャッチコピーで期待をかけていた指揮官も、「ガッツポーズをして血管が3本切れたと思う」と酔いしれた。球団が殺虫剤「バルサン」の製造・販売を手がけるライオンと共同で、三塁側エキサイティングシートに「バルさんシート」を前日から設置したが、2日目にして殊勲打で期待に応えた。

 横浜スタジアムで1000勝目というメモリアル白星にもなり、4位・中日にも1ゲーム差。20日に開幕する交流戦には、左大腿二頭筋肉離れでリハビリ中のブランコも復帰予定だ。5月に入って6勝3敗で、中畑監督も「勝ち運が来ている」。ゆっくりではあるが、確実に、風向きは変わりつつある。

 ≪1安打勝利はプロ野球35度目≫DeNAが7回バルディリスの2ランのみの1安打で勝利。1安打勝利は10年7月2日に広島が石原の二塁打だけで横浜に勝って以来プロ野球35度目(他に無安打勝利が1度)。うち、本塁打だけの1安打勝利は15度目で外国人打者のアーチのみでは初めて。チームでは横浜時代の01年9月28日広島戦で中根のソロ本塁打1本で勝って以来13年ぶり2度目だ。なお、チームはこの日の勝利で横浜スタジアム通算1000勝目。初勝利は同球場初戦の78年4月4日巨人戦(○4―1)で記録している。

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