糸井節出た「バントしようかなと思いましたけど」初の連発

[ 2014年5月11日 05:30 ]

<オ・日>7回1死、糸井は2打席連続となる右越え6号ソロを放ちガッツポーズ

パ・リーグ オリックス8―1日本ハム

(5月10日 ほっと神戸)
 頼りになる男だ。6回無死一、二塁。糸井が日本ハム・武田勝の初球のスライダーを右翼上段へ放り込んだ。手応えは、一塁へ向かう仕草で分かる。バットを放り投げると、すぐに両手を高く広げてバンザイ。そのままどうだ、と言わんばかりに右手を一塁スタンドに付きだした。一振りで0―0の均衡を破った。

 「バントしようかなと思いましたけど、打てというサインだったので、思い切っていきました」

 ヒーローインタビューでは、冗談とも本気とも取れる言葉で観衆を笑わせた。確かに、前の2打席は不本意な形だった。変化球を打たされ、ともに二ゴロに終わった。この反省もあって「当てにいかず振り抜こうと思った」と初心に返ったのが、6回の決勝5号3ラン。積極さは7回にも生かされ、3番手の大塚から右翼へ6号ソロを放った。超人の異名を取る男がプロ11年目で記した初の2打席連発。しかも古巣からマークした。

 万全でこの試合に臨めたわけではなかった。前夜の第3打席に右膝の下に死球を受けた影響で、試合前の練習は1人別メニューで室内で調整した。「膝が痛いからです。(本当なら)出ていきたいですよ」。手負いの状態で驚異の2発。また“超人伝説”に新たなエピソードを加えそうな働きだが、森脇監督はミーハーな風潮に釘を刺す。試合前。室内練習場で打ち込む姿を見ていたという。「まだ打つかというほど打っていた。超人というより、誰よりもやっている」。そう、努力なくして、継続中の5年連続3割はなしえないのだ。

 連敗を2で止め、対日本ハムの連敗も4でストップした。先発のディクソンが7回終了まで無安打となる1失点完投も、原動力になった。投打がかみ合い、勢いが付くには十分な1勝になった。

 ≪本塁打打てば今季5戦全勝≫糸井(オ)が6回第3打席の5号3ランと7回第4打席の6号ソロの2発。1試合2本塁打は昨季5月22日の中日戦(ほっと神戸)以来5度目だが、2打席連発は初めて。マークした5試合はすべて勝っており、今季本塁打した5試合も全勝中だ。また6回の先制弾は今季6度目の勝利打点となり、同僚のペーニャを抜いてリーグ単独トップになった。

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