和田監督 今季初めてマウンドへ…直後にサヨナラ負け

[ 2014年5月9日 05:30 ]

<中・神>9回、今季初めてマウンドに足を運んでゲキを飛ばした和田監督(右から3人目)だったが…

セ・リーグ 阪神1―2中日

(5月8日 ナゴヤD)
 阪神・和田監督が今季初めてマウンドへ向かった。1―1の9回。2死満塁となったところで、三塁ベンチを飛び出した。

 4番手・加藤、そして野手陣にゲキを飛ばす。「思い切っていけ」。続く荒木への初球。加藤はこん身の速球を投げ込んだが、白球は無情にも三遊間を破った。今季初のサヨナラ負け。会見場に現れた指揮官の横顔には、疲労が色濃くにじんでいた。

 「(1点差で逃げ切りたかったか?と問われ)その通りです」

 白星は、手の届くところまで来ていた。1―0の8回から満を持して、2番手・福原を投入。簡単に2死を奪ったが、ルナに右越えの同点弾を浴びてしまった。

 「ボールが甘かった。シュート回転して甘く入った。打たれてはいけない場面」

 福原はうなだれたが、悔やんでも悔やみきれない。前日までにリーグトップとなる12ホールドポイントをマーク。抜群の安定感で中継ぎ陣を支えてきた。それだけに、まさかの展開…。息を吹き返した中日打線は、9回も容赦なかった。

 この回から3番手・安藤が登板したが、先頭の森野に左翼フェンス直撃の二塁打。続く和田を歩かせ塁を埋めると、阪神サイドが勝負の一手を打ってきた。何と一塁手・ゴメスに代えて、坂を起用。中日の送りバントに備えて、不動の4番打者をベンチへ下げたのだ。指揮官が意図を明かす。

 「あそこは1点勝負だったから。もう守るしかないんでね」

 攻めの一手は奏功し、堂上直は送りバント(結果は投ゴロ)を失敗した。1死一、二塁となり、4番手加藤へスイッチ。相手の走塁死もあり2死一、二塁までこぎ着けたが、最後は代打・松井佑、荒木に連打され万事休すとなった。

 「…」

 記者からの問いかけに答えることなく、加藤は無言でバスへと乗り込んだ。チームをけん引してきた福原、加藤、安藤の信頼は揺るがない。ただ、ここへ来て打線が低調なだけに、投手陣が踏ん張るしかない。

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2014年5月9日のニュース