マエケン復活9回零封 レンジャーズスカウトの前で貫禄

[ 2014年4月28日 05:30 ]

<広・巨>サヨナラ勝利で菊池に水をかける前田健

セ・リーグ 広島3-0巨人

(4月27日 マツダ)
 これがエースの底力だ。広島・前田健が巨人相手に9回を投げ切り1点も許さず。勝ち星こそつかなかったものの、完全復調をアピールした。

 「肘の不安がなかったのが一番。何も気にせず思い切り投げられた。ここ2試合は5回ずつしか投げていなかったので、久しぶりにストレスなく投げられた」

 大リーグ・レンジャーズのスカウトが視察する中、初回、先頭の坂本をスライダーで空振り三振に仕留めるなど3者凡退の好スタート。右肘の張りを訴えた後の初登板だった前回20日のDeNA戦では5回7安打4失点で初黒星を喫していただけに、不安を払しょくする立ち上がりとなった。

 2回以降は真っすぐも走り出し、2死一塁で対じしたロペスの2、3球目に自己最速タイの153キロを計測。自らのミスでピンチを招いた6、9回の1死三塁も気迫の投球で後続を断ち、巨人・内海とのエース対決にも一歩も譲らなかった。

 昨季のリーグ3位からさらなる上昇を狙うには、打倒巨人が不可欠。12日の中日戦で5回に緊急降板し右上腕三頭筋付着部炎が判明した後も、すぐに出場選手登録を抹消せず経過観察したのも、この日の巨人戦登板を見据えてのものだった。

 8~10日の3連戦は自身の登板はなかったものの、チームは1勝2敗と負け越した。前日26日は5―11と大敗。今3連戦の勝ち越しをかけると同時に巨人戦を3勝3敗の五分に戻す戦いで、期するものもあった。「昨日の負け方がよくない。いい流れをつくらないといけないと思った」と安どの表情を浮かべた。

 気がつけば巨人戦は昨年7月25日の6回から24イニング連続無失点。防御率も1・36で巨人・菅野を抜きリーグトップに返り咲いた。「これで(次からは)安心して普通にいける」。不安のなくなったエースに敵はいない。

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2014年4月28日のニュース