金子 14K1安打完封 ぶっちぎり“奪三振王”57K

[ 2014年4月26日 07:12 ]

<オ・楽>14奪三振で1安打完封勝利を飾り、伊藤(左)と笑顔でハイタッチする金子

パ・リーグ オリックス11-0楽天

(4月25日 京セラD)
 勝利の瞬間、オリックス・金子は捕手の伊藤に歩み寄り、謝った。

 「ごめん」。9回2死から岡島にストレートの四球を与えたためだ。安打で1人の走者を出しただけの「準完全」まであと1人で力が入った。帽子を一度取り、落ち着かせた。最後は29人目の打者、元同僚・後藤を143キロ直球で3球三振だ。

 「完封という一番いい形で終われてよかった」。今季2勝目。今季初勝利だった4月4日の西武戦(京セラドーム)以来2度目の完封で、その時に記録した、自己最多に並ぶ14奪三振もマークした。5回2死から松井稼に中前へ初安打を許して完全は途切れたが、最後まで危なげない投球だった。

 序盤で大差がつき、投げづらい展開でもあったが、金子は「集中力を切らさないように、いつも以上に力を入れて投げた」という。初回1死から4者連続三振を奪うと、5回の枡田から奪った見逃し三振で通算1000奪三振を達成した。7、8回は6者連続三振だ。それでも昨季の奪三振王は「あまり三振に執着心はない。うれしいけどチームが勝つ方が大事」と涼しい表情を浮かべ、12日以来の単独首位奪回を喜んだ。

 春季キャンプで投げ込まない「メジャー式」で結果を残している。昨春キャンプで古傷の右肘痛を再発。実戦登板なしで開幕戦に臨んだが、15勝を挙げた。今年はさらにスロー調整。1カ月間でブルペン入りしたのは、わずか6回だった。1回の平均投球数は60球程度で「これだけ球数の少ない調整は初めて。シーズンが始まってから調子が落ちないように考えている」と説明する。その言葉通りに早くも57三振を奪い、追随を許さない。

 145キロ前後の直球は切れがあり、スライダー、カットボール、カーブ、スプリット、チェンジアップ、シュートと多彩な変化球は全てが決め球になる。球を受けた伊藤は「僕のリードより金子さんが良すぎる」と言った。本音だろう。

 ≪46年ぶり3人目≫金子の1安打完封勝利は昨年8月21日ソフトバンク戦でマークして以来2度目。パで2度以上の1安打完封勝利は96、05年西口(西)以来9年ぶり。オリックスでは阪急時代に阿部が50年6月17日大映戦、同年7月20日近鉄戦、米田が67年7月18日西鉄戦、68年9月28日近鉄戦で記録したのに次ぎ46年ぶり3人目になる。この日は4日西武戦と並ぶ自己最多タイの14奪三振。1安打完封投手の最多奪三振は野口(中)が01年5月24日阪神戦で奪った16個だが、パでは96年岩本(日)、99年工藤(ダ)、06年斉藤和(ソ)の12個を上回り最多になった。

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