150キロ超え速球なくなっても…中日・朝倉 涙の復活勝

[ 2014年4月26日 05:30 ]

<ヤ・中>1403日ぶりの勝利に目を潤ませる朝倉

セ・リーグ 中日4-3ヤクルト

(4月25日 神宮)
 どれだけの年月を費やしただろう。中日・朝倉が6回を4安打2失点でつかんだ白星は10年6月22日の横浜戦(浜松)以来、実に1403日ぶりのことだった。

 ヒーローインタビューでは目を真っ赤にした。4年分の思いが詰まっていた。

 「正直、ホッとしている。本当に苦しかったので、心が折れそうになったときもあったけど、諦めずに頑張って良かった」

 全盛期の150キロ超えの速球はない。この日の最速は143キロ。それでもシュートで内角をえぐり、フォークボールを低めに決めた。バレンティンから2三振を奪うなど、無四球で毎回の7奪三振。「しんどかったが黙って見守ってくれていた」という家族に勝利を伝えたいと言った。

 08年の血行障害を乗り越え、翌09年に自身4度目のシーズン2桁勝利となる10勝を挙げた。だが、今度は右肘に異変が起こり、11年に手術。表舞台から遠のいた。今季年俸は昨季の4500万円から2700万円ダウンの1800万円。野球協約の減額制限を超える提示だった。不退転の決意で臨んだシーズン。テークバックの右腕の軌道を見直すなど、体のパーツを根本から組み立て直した。3度の救援を経て巡ってきた今季初先発で結果を出し、チームの勝率を5割に戻した。

 「こういうチャンスを頂いた監督、コーチ、皆さんに感謝して、一人でも多くのバッターを打ち取ることを心がけました。これから、しっかり投げていきたい」

 プロ15年目。6月で33歳になる右腕が、復活への扉をこじ開けた。

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