憲伸 戦力外乗り越え1勝 昨季Bクラスから“はい上がる”象徴

[ 2014年4月24日 05:30 ]

<中・神>4回2死満塁のピンチを切り抜けガッツポーズの川上

セ・リーグ 中日4-1阪神

(4月23日 ナゴヤD)
 酸いも甘いも知り尽くす38歳の今季初勝利会見は爆笑の渦だ。中日・川上は「森野が試合前に“勝ち投手になったら僕の車をあげます”と言っていたんで、そのために頑張りました」と笑った。

 楽天のルーキー松井裕並みに6四死球を与えたが、6回を3安打無失点。「四球を出して点を取られることが凄く多いと、きのうテレビやラジオで言っていたから“四球を出しても頑張ろう”と思った」と胸を張った。

 昨年は右肩痛で出遅れ、初登板した8月22日の広島戦(ナゴヤドーム)で挙げた1勝のみ。オフには戦力外通告を受け、プロゴルファー転向も真剣に考えていた。ところが、その後就任した落合博満GMと谷繁兼任監督の体制下で再契約した。チームも昨季12年ぶりのBクラスに転落。新指揮官は「チーム全員ではい上がる姿を見せる」とし、その象徴として川上を開幕投手に抜てきした。

 広島との開幕戦は6回2失点も勝ち投手にはなれず、迎えた5度目の先発だった。4、6回の満塁のピンチを切り抜けるなど要所を締めるベテランらしい投球で244日ぶり、日米通算125勝目を挙げて「遅いですね。ようやくって感じ」とお立ち台ではにかんだ。

 かつてエースとして活躍した頃ほどの球威も切れもない。自然と考え方も変わった。「昔は自分が勝てば良かった。今は6、7年前より“チームが勝てばいい”という意識が強い」。チームは勝率5割に戻り、阪神戦の連敗も3でストップ。自らの右腕で勝利に導いた38歳は「これで次あかんかったら、ただの1勝で終わっちゃう。次が大事」と気を引き締めた。

 ▼中日・谷繁兼任監督(川上について)開幕からある程度試合をつくっていたし、やっと1つ勝ちがついた。

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