AJ延長12回2死サヨナラ弾 4番やっとお目覚め2発

[ 2014年4月23日 05:30 ]

<楽・西>延長12回2死、ジョーンズがサヨナラ弾を放つ

パ・リーグ 楽天2-1西武

(4月22日 コボスタ宮城)
 楽天のジョーンズは、この球を待っていた。2ボールから高めのカーブを強振。打球は中堅フェンスを越えた。1―1の延長12回2死無走者、あと1死で引き分けに終わるところから来日初のサヨナラ弾だ。まだまだ夜は冷える仙台。本塁付近で待っていたのは冷水による歓喜のシャワーだ。

 「カーブを狙っていた。投手陣が踏ん張っていたので何とか打ちたかった」。過去5試合は16打数1安打で打率・063。星野監督からは「打率が身長よりも低い」と1割台に低迷する打率を指摘された。この日も初回2死三塁、3回1死一、二塁でともに空振り三振。西武先発の牧田にタイミングが合わず、スタンドからため息が漏れた。

 6回の3打席目。メジャー通算434本塁打のプライドを捨てた。平石打撃コーチの助言で、膝が曲がりすぎていた右足を少し伸ばした。姿勢も良くなり、バットもボールに対し最短距離の軌道を描くようになった。その打席は左飛も、効果は1点を追う8回に表れた。2死から左翼に同点の4号ソロ。姿勢が良くなったことで上体の力みもなくなり、スライダーに対して一瞬の「ため」ができた。12回も狙っていたカーブを完璧なタイミングでスイングした。

 仙台では同僚のユーキリスらと焼き肉店などで外食することが多く、何時間でも野球談議をする。チーム宿舎では星野監督と同じテーブルにつくこともあり「星野監督は常に自分たちとコミュニケーションを取ってくれる」と感謝している。貯金を1とした指揮官は復調の兆しを見せた主砲に「ハプニング、ハプニング」と冗談ぽく笑った。

 23日に37歳の誕生日を迎えるジョーンズは言った。「この仙台にもう一度、日本一をもたらしたいと思っている」。まだ打率・184で自身の身長に1センチ足りない。それでも不動の4番が日本一連覇の鍵を握る。

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2014年4月23日のニュース