広島・九里 2連勝 試合中、監督ささやきで目覚めた

[ 2014年4月20日 07:07 ]

<D・広>3回2死満塁、DeNA・バルディリスを空振り三振に斬り、グラブを叩く広島先発・九里

セ・リーグ 広島7-1DeNA

(4月19日 横浜)
 確実に試合をつくった。広島ドラフト2位・九里が6回5安打1失点と粘りの投球で新人ではトップとなる2勝目をマーク。開幕2戦目の3月29日中日戦に続く先発2連勝にも「内容が良くなかった。野手の皆さんに助けていただいた」と、ひたすら感謝の言葉を並べた。

 指揮官の言葉で目が覚めた。3回2死満塁のピンチでバルディリスを三振に仕留めた。雄叫びを上げ興奮冷めやらぬままベンチに戻ってきたところに、野村監督が歩み寄りささやいた。

 「おまえのピッチングとは何だ?ゴロを打たすことじゃないのか?」

 元来は1メートル87、92キロの体を生かし、打者をねじ伏せるタイプだった。だが亜大2年時に「勝てる投手」を目指し、投球スタイルを変更。制球力、持ち球を最重要視し、中日・吉見、ソフトバンク・摂津などの映像を徹底的に研究した。直球と多彩な変化球をとにかく低めに集めること。本来の姿を思い出し、4回以降は白崎に許した左前打の1安打のみ。9個のアウトのうち、4個をゴロで奪った。原点に戻った九里に死角はなかった。

 初先発以降、2度の中継ぎ登板を経験。層が厚いからこそ、絶対的なローテーションン投手としての立場は得られていない。それでも「いろんなことを経験させて頂いているから楽しい」と言い切る。“勝てる投手”は与えられた出番で全てを出し切るだけだ。

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2014年4月20日のニュース