原巨人 悪夢の延長11回5失点 不可解ピンチで和田との勝負

[ 2014年4月20日 05:30 ]

<巨・中>11回1死二、三塁、和田(後ろ)に左適時打を浴びる西村

セ・リーグ 巨人2-7中日

(4月19日 東京D)
 勝負は裏目に出た。巨人は19日、中日戦で延長11回に西村健太朗投手(28)が勝ち越され、3位に転落した。1死二、三塁のピンチを招き、和田一浩外野手(41)との対戦。巨人ベンチは敬遠策を選ばずに1ボールから勝負に出たが、西村は決勝打を浴びた。3失点で自己ワーストタイの3試合連続失点。さらに救援陣が打ち込まれ、延長戦での5失点は8年ぶりの屈辱となった。

 西村に状況判断がどこまでできていたか。延長11回1死二、三塁。7回に2ランを放っていた和田を打席に迎えた。初球、西村は阿部が外に外したミットに直球を投じた。敬遠策と思われた矢先、2球目に勝負に出た。真ん中に入ったフォークを左前へ運ばれた。

 「ファウルを取ろうと思ったが、甘く入ってしまった。全体的に球が高かった…」

 初球のボール球には伏線があった。ルナと平田にいずれも初球を打たれ、続く森野にも初球で犠打を決められた。登板してから、わずか3球で1死二、三塁の大ピンチ。吉原バッテリーコーチは「西村がひと呼吸置く意味もあるし、相手の(ベンチを含めた)出方をうかがう意図も、もちろんあった」と説明した。

 ただ、ボール球から入っても、西村に心の余裕は生まれたのか。次打者には小笠原が代打として控え、西村は前日の9回に中前打されていた。川相ヘッドコーチは「あの場面は敬遠で次打者で併殺を取るという選択肢は確かにあるが、勝負を選択した」と明かしたが、不調の西村からすれば、厳しい状況だった。「前門の虎」は和田、「後門の狼」は小笠原である。結果、わずか5球で勝ち越され、自己ワーストタイの3試合連続失点で今季初黒星を喫した。

 原監督は「決して良いわけではなかった。もう少し粘れる投手だ」と奮起をうながした。昨季42セーブでタイトルを獲得した右腕への期待は高い。現状はマシソンがクローザーの位置に入るが、西村はシーズンを勝ち抜く上で絶対に欠かせないピースだ。打線も援護を欠いた。上半身の疲労で前日欠場した阿部が5番に復帰も阿部から8番まで無安打だった。ただ打線は水もの。最近不振だった勝利の方程式のマシソンと山口は9、10回をともに抑え復調してきた。あとは西村が接戦を勝ち抜くカギを握る。

 チームは4連勝を逃し、3位に転落した。「切り替えてあすから頑張ります」。

 前を向いたセーブ王の復調が待たれる。

 ≪8年ぶり屈辱≫巨人は延長11回に5失点と救援陣が打たれ連勝は3でストップ。延長戦に入って巨人が5点以上を奪われたのは06年10月10日に同じ中日戦(東京ドーム)で12回に6失点して以来8年ぶりの屈辱だ。11回から登板した西村は3失点と打ち込まれ敗戦投手。16日ヤクルト戦1失点、18日中日戦1失点、この日と3試合連続失点。自身救援登板で3戦連続失点は09年5月10日中日戦2失点、13日横浜戦2失点、19日日本ハム戦4失点と記録して以来5年ぶり2度目の自己ワーストタイ。

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