血染めのダル 耐えた107球 配球変えエース対決に“勝利”

[ 2014年4月18日 05:30 ]

<レンジャーズ・マリナーズ>7回、右手の親指から出血し痛そうな表情を見せるダルビッシュ

ア・リーグ レンジャーズ3―2マリナーズ

(4月16日 アーリントン)
 レンジャーズ・ダルビッシュの我慢の、そしてエースの投球が、チームの逆転勝利を呼んだ。

 2回、直球を狙われ開幕から17イニング目で今季初失点を喫した。ここで迷いなく配球を切り替えた。この日の女房役は初めて先発でコンビを組む2番手捕手のチリーノス。序盤の配球はストレートとスライダーに偏っていたが、3回以降は初球をカーブ、スライダーと変化球に切り替え、そして決め球にはスプリットを使った。「俺の球はそれだけじゃないよ、と。向こうは初球から(直球を)狙っているから、それ(変化球)を使いましょうと話しました」。キャンプ、オープン戦で温存していた切り札を解禁。両打ちを含め1~8番まで左を並べた相手打線の目線をずらし、以降7つの三振中、3つをスプリットで奪った。チリーノスも「スプリットは凄く良かった。受けるのも難しいくらい」と舌を巻くほど鋭い落差だった。

 相手は10年のサイ・ヤング賞右腕・ヘルナンデス。過去2度の投げ合いでは5失点、7失点で完敗した相手との投げ合いで先制されたが、じっと味方の反撃を待った。7回には、11日のアストロズ戦同様、カーブを投げた際に右親指を切るアクシデント。ユニホームのベルトの穴が赤く染まったが、107球を投げ抜き「配球を一気に変え、相手も面食らった部分があったと思う。それで7回まで投げられ、サヨナラ勝ちにつながっているなら、良かったと思う」と収穫を口にした。

 2試合連続で打線の援護は無得点だが「勝てたのは凄く良かった。僕は打席で打てるわけではない。そこは野手をリスペクトしている」。エース対決でのチームの勝利に、静かにうなずいた。

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