「ぶち最高です!」大瀬良プロ初勝利は“予定通り”本拠で

[ 2014年4月17日 05:30 ]

<広・神>5回2死、一、三塁、適時二塁打を打った大瀬良はガッツポーズ

セ・リーグ 広島3-1阪神

(4月16日 マツダ)
 お立ち台での第一声は「ぶち、最高で~す!」。広島のドラフト1位・大瀬良は「とても」の最上級を表す広島弁で喜びを表現した。3試合目の登板でのプロ初勝利。「カープに決まった時から、ファンの方に喜んでいただいた。あらためて“よろしくお願いします”という気持ちを込めました」。実直で純粋な青年らしいあいさつだった。

 7回を102球で5安打1失点。6回の唯一の失点は中堅・丸の失策が絡んだもので、自責点は0だ。負ければ2位に転落する首位攻防戦で、黄金ルーキーが阪神の連勝を6で止めた。「やっとスタートが切れた。初勝利は(本拠地の)マツダと思い描いていた」と実感を込めた。

 まさに独り舞台だ。スタンドが最も沸いたのは、1―0で迎えた5回の打席。2死三塁で、阪神ベンチは石原を敬遠で歩かせ、9番の大瀬良との勝負に出た。「石原さんが敬遠されて悔しい思いがあった。絶対打ってやろうと思った」。1ボール1ストライクから左腕・岩崎が投じた内角低めのスライダーを左翼線にはじき返す2点適時二塁打。「自分が投手なら変化球で三振を取りにいく。7割方スライダー待ちでした」。プロ初安打初打点で、貴重な追加点をもたらした。

 九州六大学リーグはDH制を採用するため大学時代は打席に立った経験がほとんどないが、「高校では打撃を評価してもらって入った」と自信はあった。二塁ベース上では両手を突き上げて派手にガッツポーズした。抜群の野球センス。4回2死一、二塁では藤井の折れたバットをジャンプしてよけながら捕球し投ゴロに打ち取った。投球では最速149キロを計測。「高さだけ気をつけた」と制球にも細心の注意を払い許した5安打は全て単打だった。野村監督も「プロとしていい一歩を踏み出した」と目を細めた。

 スタンドには家族も駆けつけた。その前で投げて、打っての活躍。「家族はもちろん、こうやって赤く染めてくださった皆さんに伝えたいと思います。これからも精いっぱい頑張っていきます」。3試合に先発し、防御率は2・14と、ルーキーとは思えない安定感。広島ファンはニューヒーローの誕生を確信した。

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2014年4月17日のニュース